戸建てとマンションの家賃の違いとは?入居者のニーズから見るそれぞれの強みについて

戸建てとマンションの家賃の違いとは?入居者のニーズから見るそれぞれの強みについて
持ち家を貸し出す際には、家賃を設定する必要があり、家賃は入居者募集に大きく影響します。

ポータルサイト上で募集されている賃貸物件は、大きくわけて「マンション・アパート」と「戸建て(一軒家)」の物件がありますが、同じエリアの似たような物件であっても、マンションと一戸建てで家賃が異なることがあります。

この違いは戸建て(一軒家)とマンションでは需要と供給のバランスや、入居希望者のニーズが異なることによるものです。そのため、入居者募集を行う際は、それぞれのターゲットに合わせた募集条件を設定することが重要です。

この記事では、戸建てとマンションそれぞれのニーズや需要と供給のバランス、家賃への反映について項目ごとに解説します。

1. 立地

戸建ての物件は郊外に多く見られ、マンションは都市部に多い傾向があります。 この特性を踏まえた上で、戸建てとマンションの賃貸物件の入居希望者にはどのようなニーズの違いがあるのか、みていきましょう。

1-1. 戸建て(一軒家)

戸建て物件は子どものいるファミリー層に人気があります。戸建ては隣の家と一定の距離があることがほとんどのため、子どもが騒いだり走り回ったりしても近隣への影響が少ないためです。

ファミリー層はスーパーや学校、病院までの近さといった周辺環境や、「子どもが多いか」や「治安がいいか」などの地域特性を重視する傾向にあります。

また車通勤の場合は、駅からの距離よりも駐車場付きであることが優先されるでしょう。

エリアごとの戸建ての賃料相場の目安は下記記事にて紹介しています。

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1-2. マンション

都市部はマンションの供給数が多く、駅近物件に人気が集まりやすい傾向にあります。駅周辺はスーパーなども集まりやすく、単身・ファミリー問わず利便性を求める入居希望者に人気があります。

エリアごとのマンション戸建ての賃料相場の目安は下記記事にて紹介しています。

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2. 築年数

戸建てでもマンションでも築年数が浅い方が、人気があります。築年数が経った物件はリフォームやリノベーションを行うことで古さを補うことが可能です。

2-1. 戸建て(一軒家)

古すぎる物件は敬遠されますが、実際の建物の状態やリフォーム経歴で判断されることもあります。特に水回りは内見時の印象を左右します。汚れや傷みが目立つ場合はリフォームを検討しましょう。

また、旧耐震基準で建築された物件は安全面に懸念があるため、耐震リフォームを実施しましょう。

競合物件と比べて築年数がマイナスとなる場合は、ペット飼育可物件とすることで、入居者を見つけやすくなります。

2-2. マンション

マンションにおいて、自由にリフォームできるのは専有部分のみです。そのため、築年数が経過するほど共用部分の印象が古くなりやすく、戸建よりも築年数の影響を受けやすくなります。これらの改修はマンションの修繕積立金によって行われるため、対応が難しいでしょう。

また、専有部分に接している玄関ドアやバルコニーなどは共用部分であり、改修は管理組合への相談が必要となります。

3. 間取り・広さ

間取り・広さ

戸建てとマンションでは、庭や眺望、駐車場といった部分が大きく異なります。入居者が何を求めているのかによって、どちらが選ばれるか左右されます。

3-1. 戸建て(一軒家)

リモートワークが増加したことで、部屋数の多い戸建て物件に人気が集まっています。

戸建てでは部屋の面積だけでなく、収納や庭、駐車スペースなども重視されます。特に郊外では、家族で複数台の車を所有している場合も多く、複数台駐車可能な物件が求められることもあります。

3-2. マンション

マンションは集合住宅のため、その部屋の広さだけでなく、階数による眺望や部屋の位置も考慮されます。特に、戸建てと異なり窓が設置できる面が少ないため、どの方角で建築されているかは日当たりに大きく影響するため重視されます。

4. 設備

室内の設備は戸建てとマンションで共通する部分が多くありますが、駐車場やマンションの共用施設といった部分で大きく差が出ます。

4-1. 戸建て(一軒家)

近年は宅配便の置き配が増加しており、戸建てであっても宅配ボックスを求める声が多くあります。

また、平置きではなくガレージタイプの駐車場や、庭に設置された物置はアウトドア用品などを収納することができ、戸建てならではの魅力といえるでしょう。

2-4. マンション

マンションは戸建てと異なり、エントランスでのオートロック機能を求める声が多くあります。また戸建てでは難しい、24時間ゴミ出し可能な物件も人気です。

2階以上の物件の場合は、低層であってもエレベーターがついている物件が有利です。

タワーマンションなどの高級物件では、ジムやラウンジ、キッズルームなどの共用施設、コンシェルジュサービスなどが物件の付加価値として見られます。また、多くのタワーマンションではエントランスでオートロックが2段階であったり、各階にゴミ置き場があったりするなど、通常のマンションよりも設備のグレードが上がり、物件の価値が上がります。

5. 需要と共有のバランス

戸建てとマンションでは、需要と供給のバランスが異なり、どちらが高くなるかは、そのエリアのニーズによって異なります。それぞれのターゲットに合わせた入居者募集を行うことが重要です。

5-1. 戸建て(一軒家)

戸建ての賃貸物件自体の供給が少なく、また同じ立地や建物は存在しないため、競合は少ないです。

一方で需要も限定的であるため、入居希望者のニーズに応えるような強みを打ち出すことが重要です。たとえば近くに小学校がある場合は、子育て世帯に向けて周辺環境のアピールはもちろん、追い炊き機能や食洗器など家事を便利にする設備をアピールポイントとして掲載すると良いでしょう。

5-2. マンション

マンションは賃貸市場で供給数が多く、同じ建物内で賃貸募集がされている場合は物件内での差別化も必要です。

マンション自体の施設としての強みがあれば記載することはもちろん、眺望や日当たりのよさ、カスタマイズした設備やリフォーム箇所など、部屋ごとに異なる部分はアピールポイントとして掲載しておきましょう。

6. まとめ

賃貸物件で戸建とマンションそれぞれのニーズをまとめると次の通りです。

戸建 マンション
立地 周辺環境や地域特性を重視 駅近の利便性の高い物件が人気
築年数 建物の状態やリフォーム経歴が重要 築年数の経過が共用部分の状態にあらわれやすい
間取り・広さ 部屋の広さに加えて、庭や駐車場などが考慮される 階数や部屋の位置が考慮される
設備 置き配需要から、宅配ボックスのニーズが高まっている
ガレージや屋外の物置は戸建てならではの魅力
オートロックやエレベーターを期待する入居希望者は多い
タワーマンションでは共用施設も付加価値とされる

同じエリア内の戸建とマンションは競合物件にはなりますが、どちらが選ばれるかは入居希望者が何を重視しているかによります。貸し出す家の強みを打ち出し、入居者希望者のニーズに応える物件として適正な家賃でポータルサイトに掲載できるよう、戦略的な募集条件の設定をしましょう。

都市や築年数、広さなどによる賃料相場については、下記の記事をご覧ください。

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