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更新日2024年10月18日

持ち家を貸すときの賃料相場(都市別・築年数・広さ別)一軒家やマンションの相場を紹介

「転勤が決まったから一時的に家を貸したい」「相続した家を貸したい」家を貸そうと思ったとき、どのくらいの賃料で貸し出せるのか、まずは持ち家の価値を知りたいと思う方が多いでしょう。不動産会社へ賃料査定を依頼すると、データをもとにした想定賃料を知ることができ、より具体的なイメージができるでしょう。ここでは、大まかではありますが、都市ごとや広さ(間取り)別の賃料相場を紹介しながら、あわせて家を貸すときの流れを説明していきます。

家を貸すときの賃料相場の目安(都道府県別、都市別)

下記は2023年の「住宅・土地統計調査」の民営借家の1か月当たり家賃です。

まずは、主な都道府県別の賃料相場の目安を紹介します。

都道府県 家賃(1ヵ月分)
北海道 50,647円
宮城県 56,106円
茨城県 51,905円
千葉県 63,483円
埼玉県 65,198円
東京都 93,973円
神奈川県 75,720円
愛知県 60,115円
岐阜県 49,741円
三重県 51,564円
京都府 61,585円
大阪府 63,912円
奈良県 56,990円
兵庫県 64,495円
福岡県 55,710円

出典:令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)

次に東京~大阪の主要な都市の賃料相場の目安を紹介します。

都道府県 家賃(1ヵ月分)
東京23区 99,618円
横浜市 79,902円
さいたま市 71,176円
名古屋市 64,799円
大阪市 65,412円
京都市 63,105円
神戸市 65,219円

出典:令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(総務省統計局)

上記の表は築年数が古い物件やワンルーム、戸建てもある中での平均なのでなかなか掴みにくいかもしれません。参考までに東京都のマンションでの賃料相場をみてみましょう。

ワンルーム 1LDK~2DK 2LDK~3LDK
2020年3月 73,797円 109,600円 136,863円
2009年9月 71,226円 108,126円 135,935円

出典:一般財団法人 住宅改良開発公社 賃貸住宅市場の動向と将来予測(展望)調査

どのタイプの間取りも1,000円ほど相場が上昇しています。家は古くなっていくので、ずっと同じ賃料が維持できるわけではありませんが、賃料相場が上昇している局面では、築年数の経過による賃料の減額幅も抑えることができるでしょう。

広さ(間取り)別、家を貸すときの賃料相場の目安

 先ほどは、家を貸す際の都道府県別での賃料相場や東京のマンションに限った賃料相場を紹介いたしました。こちらでは、広さ(間取り)による賃料の相場をみてみましょう。

都道府県 1R/1K/1DK 1LDK/2K/2DK 2LDK/3K/3DK 3LDK/4K/4DK
北海道 3~4万円 5万円 5~6.5万円 8~9万円
宮城県 4~5万円 6~7万円 10万円 10~10.5万円
茨城県 3~4万円 4~5万円 5~6万円 7~8万円
千葉県 4~5万円 6~7万円 7.5~8.5万円 9.5~10.5万円
埼玉県 4~5万円 6~7万円 7.5~8.5万円 9.5~10.5万円
東京都 7~8万円 10~12万円 13~14.5万円 15~16.5万円
神奈川県 5~6万円 7.5~8.5万円 8~10万円 10~12万円
愛知県 4~5万円 6~7万円 6~7.5万円 8~9万円
岐阜県 3~4万円 4~5万円 5~6万円 6~7万円
三重県 4~4.5万円 4.5~5.5万円 5~6万円 6.5~7.5万円
京都府 4~5万円 6~7万円 7.5~8.5万円 8~9.5万円
大阪府 4~5万円 6~7万円 7~8万円 8~9万円
奈良県 3.5~4万円 4.5~5.5万円 6万円 6.5~7.5万円
兵庫県 4~5万円 6~7万円 6~7.5万円 8~9.5万円
福岡県 3~4万円 5~6万円 6~7.5万円 8~9万円

出典:国土交通省 賃貸住宅市場の実態について

所在地や間取り以外にも、駅近物件かどうか、構造、築年などで賃料は変動します。具体的に賃料がいくらくらいになるか気になったら、無料の賃料査定を申し込んで確認してみましょう。不動産会社が過去の取引実績や賃貸市場のデータから想定賃料を算出するので、実態に近い金額を知ることができます。

古い家でも貸し出せる?築年数別、家を貸すときの賃料相場の目安

古い家を相続、贈与された場合は、そのまま貸すよりもリフォームをすることで付加価値が付き、賃料が上がる可能性があります。「少しでも高く貸したい」「早く入居者を決めたい」と考えているならば、リフォームを視野に入れてみましょう。

リフォームの概算費用

リフォームの概算費用は次の通りです。リフォーム前の状態によっても異なるので、あくまでも目安としてください。

リフォーム内容 費用
システムキッチンに交換 50~200万円
トイレ 10~30万円
お風呂 80~120万円
壁紙張替え 1000~1600円/㎡
畳からフローリングに張替え 2~6万円/畳
押入れをクローゼットへ変更 8~20万円
リビングルーム 40~300万円
洗面所 10~50万円
外壁塗装 40(20坪)~200万円(60坪)

補助金や制度の活用

一部条件はありますが、リフォーム内容によっては地方自治体の補助金や優遇税制があります。制度を有効活用すれば、お得にリフォームすることが可能です。まずは、対象となるものがないか確認してみましょう。

たとえば、東京都では、既存住宅の省エネルギー性能の向上を促進するための省エネ診断や調査にかかる費用等に対して補助を実施する「東京都既存住宅省エネ改修促進事業」が行われています。住宅所有者と共同住宅の管理組合が対象となっており、最大で経費の3分の1が補助される制度です。

各自治体の制度は(一社)住宅リフォーム推進協議会HP内の地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイトから検索することができます。制度は申請期限が設定されているものもあり、終了している制度が掲載されている場合がありますのでご注意ください。

自治体だけでなく、国による事業もあります。令和4年度の補正予算案として住宅の省エネリフォームの支援の強化」を目的とした補助制度が創設されました。令和6年度は下記の内容になっています。

給湯省エネ2024事業
申請者 製品 対象製品 補助額
事業者(住宅所有者へ全額還元) 家庭用燃料電池 ・一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)の製品登録されたもの 18万円/台
ハイブリッド給湯器 ・熱源設備として電気式ヒートポンプとガス補助熱源機を併⽤するシステムで、貯湯タンクを持つ機器であること
・一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108%以上のもの
10万円/台
ヒートポンプ給湯器 ・省エネ法上のトップランナー制度の対象機器である「エコキュート」であること 8万円/台

参考:給湯省エネ2024事業

先進的窓リノベ2024事業
申請者 工事内容 対象製品 補助額
事業者
(住宅所有者へ全額還元)
窓の断熱改修工事 ・熱貫流率(Uw値)1.9以下等、一定の基準を満たすもの 上限200万円/戸
※1

※1 補助額は熱貫流率と施工箇所の大きさによって異なる

参考:先進的窓リノベ2024事業

子育てエコホーム支援事業
申請者 工事内容 対象製品 補助額
事業者
(住宅所有者へ全額還元)
①住宅の省エネ改修工事 ・開口部の断熱改修
・外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
・エコ住宅設備(節湯水栓、高断熱浴槽等)の設置
リフォーム工事内容に応じて定める額
上限20万円/戸
※2※3
②その他の工事(①の工事を行った場合に限る。)
※4
・住宅の子育て対応改修
・防災性向上改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等
・リフォーム瑕疵保険等への加入

※2 子育て世帯・若者夫婦世帯は、 上限45万円/戸(既存住宅購入を伴う場合は60万円/戸)
※3 「先進的窓リノベ2024事業」または、経済産業省が実施する「給湯省エネ2024事業」 「賃貸集合給湯省エネ2024事業」のいずれかにおいて交付決定を受けている場合は、①の工事を行ったものとして②の工事のみでも補助対象とする。

参考:子育てエコホーム支援事業

国や自治体の補助制度をうまく活用すれば、費用を抑えて家賃収入の増額を狙うことができます。各制度には条件や期間が設定されていることがほとんどのため、制度の内容をよく確認し、各制度の登録事業者や相談窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。

家を貸す際、賃料の算出方法

持ち家を貸すときの賃料相場(都市別・築年数・広さ別)一軒家やマンションの相場を紹介

家を貸す場合、まず賃料相場を調べ、どのくらいの賃料で貸し出せそうかを算出する賃料査定を行います。この賃料査定の代表的なものとして「取引事例比較法」というものがあります。貸し出す物件の類似物件の過去の取引事例の賃料と比較して算出する方法です。類似物件の賃料をもとに、立地や階数、築年数の違いを考慮して調整を行い、算出します。

自分でもできる賃料相場の調べ方

では、実際の賃貸市場からおおよその相場を調べてみましょう。

まず、ポータルサイトなどを使い、貸し出したい家と以下の条件が類似している物件を探します。

  • 駅からの距離
  • 部屋の階数
  • 築年数
  • 設備
  • 構造
  • 間取り

これらの条件が近しい物件を3~4つ抽出して比較します。どの物件も同じくらいの賃料なら、その金額が現実的な賃料だといえるでしょう。もちろん、類似物件よりも高い賃料で募集をすることも可能です。また、賃料はオーナーが決めるので周辺状況に合わせず高く設定することもできますが、借り手がつくかどうかは別です。早期に入居者を決めたい場合は、賃料を少し調整したり、敷金や礼金をゼロにしたりして他の物件と差別化をはかるとよいでしょう。

ただし、これらは経験がないと誤った判断をする場合もあり、かえって収入を減らしてしまうリスクもあります。

このようなリスクを回避するためには、賃貸管理会社に賃料相場を確認すると良いでしょう。類似物件や過去の成約事例などから、物件の賃料相場が分かります。正しい情報が得られ、自分で調べる時間も短縮できます。賃料相場賃料査定を行うことで分かります。適切な賃料設定ができれば、より多くの賃料収入も期待できます

家を貸す流れ

家を貸す流れ

ここまで、間取り(広さ)や地方ごとの賃料相場、ご自分でも調べられる賃料相場の調べ方をご説明してきました。家を貸す時に知っておけばスムーズにできるものとして「家を貸す流れ」と「注意点」があります。まずは「家を貸す流れ」について紹介いたします。

不動産会社を探して、賃料査定を依頼する

入居者募集は不動産会社を通して行うことが一般的ですが、家を貸すのに慣れていないのであれば、入居中の管理まで対応してもらえる「賃貸管理会社」に依頼するのがおすすめです。まずは、いくらぐらいで貸し出せるのか賃貸管理会社へ賃料査定を依頼しましょう。査定では、現在入居者募集中の物件以外にも、過去の成約事例自社の取り扱い実績をもとに査定金額が算出されます。会社によっては、ある程度の幅を持たせて査定額を提示する場合もあります。

なお、ファミリー物件など賃貸市場において少数派の物件や契約期間を限定したい場合は、取り扱い実績のある会社に依頼しましょう。実績をもとにした実態に近い査定金額を知ることができるほか、これまでのノウハウを活かした入居者募集で早期成約が見込める可能性が高くなります。

賃貸管理会社を決める

賃料査定を依頼した賃貸管理会社の中から、入居者募集を依頼する会社を決めます。前述した通り、取り扱い実績が豊富な会社であれば、社内にノウハウが蓄積されており、早期成約が期待できます。加えて、賃貸中の保証サービスについても、確認しましょう。入居者が家賃を滞納した場合の対応や契約終了後も退去しない場合の補償など、賃貸を行う際に必要とする保証が含まれているかどうかも確認しておくと安心です。

入居条件、賃料などを決定し入居者を募集する

賃貸管理会社を決めたら、入居者の募集条件を決めていきます。賃料は査定金額を参考に決めていきますが、査定金額より高い金額や低い金額で募集することも可能です。高い金額の場合は入居者が見つからず空室期間が長引いてしまうリスクがあり、低すぎる金額の場合は毎月の賃料収入が少なくなってしまいます。また募集に際して喫煙不可やペット不可などの条件をつけることができますが、条件が多すぎると入居者候補を狭めてしまうことになりますので、注意が必要です。

入居者募集中は、入居希望者による内見の申込が入る場合もあります。家の中に荷物などが残っている場合は事前に片づけておき、ハウスクリーニングを実施して住みたいと思ってもらえる状態にしておきましょう。

賃貸借契約を締結する

入居希望者から申込が入ったら、入居審査を実施します。申込の際に条件緩和の希望などが入る場合もあり、許容できる内容であれば調整を行い、契約条件や入居審査に問題がなければ賃貸借契約を締結します。

家を貸すときの注意点

家を貸すときの注意点

最後に、家を貸す場合に注意するべきポイントを4つ紹介します。

家を貸す際の契約方法ごとの違い

家の貸すときの契約方法は大きく分けて3つあります。

1つ目は「普通借家契約」と呼ばれるもので、一般的な賃貸での契約方法です。契約期間満了時に入居者の希望があれば契約が更新され、貸主からの解約は難しくなっています。

2つ目は「定期借家契約」です。あらかじめ設定した契約期間が満了すると契約終了となり、原則として入居者は退去しなければなりません。ただし、貸主と入居者の合意があれば再契約することも可能です。「将来的に家を使いたい」「家を使わない間のみ一時的に賃貸したい」という場合にはこちらの契約方法がおすすめです。

3つ目は「一時使用賃貸借契約」と呼ばれるもので、転勤などによる一時的な賃貸の場合に利用できます。定期借家契約同様、期間を限定して賃貸を行う契約ですが、事前に設定した期間を終了しても一時使用の事由(転勤等)が終了しない場合は契約期間が自動的に延長され、帰任まで貸し出すことができる契約です。

家を貸す時の契約方法に関する注意点はこちら

家を貸すときは住宅ローン控除が受けられない

貸し出したいと考えている家について住宅ローンを利用している場合は、事前に金融機関への相談が必要です。住宅ローンは本来、本人や家族が住むことを目的としているため、原則として賃貸することはできません。ただし、転勤などやむを得ない理由の場合は、認められるケースもあります。

一方、賃貸を行う場合は住宅ローン控除を受けられなくなります。適用条件として、取得してから6か月以内に入居を開始してその年の12月31日まで引き続き居住していることが1つの要件となっているため、本人が住んでいない賃貸期間中は適用を受けることができません。ただし、再入居した場合に控除期間が残っていれば、再適用を受けることができます。

【事例で解説】再入居後に控除期間があれば住宅ローン控除は受けられる

不動産会社の種類と役割

賃貸を行う際に入居者募集を依頼する不動産会社には、「仲介会社」と「賃貸管理会社」があります。賃貸物件探しのサポートや賃貸物件の入居者募集を専門に行うのが「仲介会社」であり、不動産の持ち主がその資産を守ったり、活かしたりするために行わなければならない不動産管理をオーナーに代わって請け負うのが「賃貸管理会社」です。

家を貸す時に、賃貸管理を委託すると煩わしい手間を避けることができますが、月々の管理手数料が発生します。賃貸運営の業務のどこまでを任せるかによって、選ぶ不動産会社は変わってきます

不動産管理会社を選ぶ時の注意点はこちら

家を貸して家賃収入を得たら確定申告が必要

家を貸すと家賃収入が発生し、確定申告が必要になります。家賃収入における不動産所得とは、家賃や礼金などの全収入から、住宅ローンを受けている場合の支払利息、固定資産税・都市計画税、火災保険料、不動産管理会社へ支払う管理手数料などの経費を引いた金額です。

海外赴任中であっても、国内で発生した所得が一定以上ある場合には、日本の所得税の課税対象です。海外赴任中に法人と賃貸借契約を結んだ場合は、納税義務は賃借人である法人に課せられることになり、不動産会社が賃料を貸主に支払う際に20.42%の源泉徴収を行います。この場合、海外赴任者は確定申告を行う必要はありませんが、源泉徴収等で納税額に過払いが生じている場合には、確定申告を行うことによって過払い金の還付を受けることが可能です。リロケーションで不動産管理会社と転貸のかたちで契約を締結する際はこちらに該当します。

家を貸した場合に必要な手続きについて、詳細はこちらの記事をご確認ください。

まとめ

家を貸すときの賃料は、その家の所在地、間取りや築年数などさまざまな要素が絡み合っています。賃貸市場から、持ち家に似た物件をピックアップすることで、おおよその賃料相場を知ることが可能です。古い家で思うような賃料でなかったとしても、リフォームによって賃料を上げられることもあります。

実際に家を貸すときには、不動産会社を探して賃料査定をしてもらいます。賃貸中の管理業務を委託したい場合は「賃貸管理会社」を選びましょう。査定額をもとに入居条件との調整を行いながら、賃料を決めていきます。入居条件が多いと入居者候補を狭めてしまうため、条件は最低限にしましょう。入居者の募集を開始し、入居申し込みが入ったら、入居審査を経て賃貸借契約を締結します。一般的に用いられる契約方法では、原則として入居者が希望する限り契約更新が可能なので注意が必要です。賃料収入は、不動産所得として課税対象となります。必ず確定申告を行いましょう。

なお、住宅ローンを利用している場合、原則として賃貸することができません。金融機関の承諾なく賃貸を行った場合は一括返済を求められる場合もあります。転勤などのやむを得ない事情の場合は認められることもあるので、住宅ローン利用中の家を貸したい場合は金融機関に相談しましょう。

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