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公開日2022年4月12日/更新日2024年7月5日

空き家になる実家を賃貸に出すメリットとリスクは?賃貸に出す流れと契約のポイント

空き家になる実家を賃貸に出すメリットとリスクは?賃貸に出す流れと契約のポイント

親が亡くなったり、老人ホームのような施設に入ったりすることにより空き家となる実家の扱いをどうするべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
心情的なことや将来を考えて貸し出したいと思う方もいるでしょう。その際、次のような悩みが出てくるかと思います。

  • 期間を限定して一時的に賃貸に出せるか
  • リフォームの必要性がどれほどあるか
  • 貸し出す際の費用はどれくらいか
  • 残っている家具をどうするか
  • 仲介も管理もすべて任せられるか

この記事では、空き家となるもしくは空き家となっている実家を賃貸に出すときに考えられる上記のような悩みのほか、賃貸のメリットやデメリット、賃貸に出す流れや契約時のポイントについて解説していきます。

空き家の実家を賃貸に出すメリットとデメリット

空き家の実家を賃貸に出すメリットとデメリット

実家を賃貸に出すメリットは「家賃収入」が得られることです。他にどのようなものがあるか挙げていきます。

空き家を賃貸に出すメリット

  • 家賃収入が得られる
  • 将来的に住むことができる
  • 家の劣化を抑えられる
  • 防犯上のリスクが軽減する
  • 庭木などの手入れがされるため周囲に迷惑が掛からない

定期的に家賃収入が得られる以外にも人が生活することで換気や通水が行われ、空き家にするよりも家全体の劣化を防げるというメリットがあります。また、不審者の侵入を防ぐことにもつながり、防犯や近所の治安維持にも繋がります。

庭がある場合は雑草や庭木の手入れも借主が行うため、虫や小動物の発生を防ぐことができ、近隣に迷惑がかかることも防げるでしょう。

賃貸に出すデメリットと対策

メリットがある一方、賃貸に出すデメリットもありますので、対策方法とあわせてご案内します。

  • 賃貸管理が必要になり手間がかかる
  • トラブルが発生することがある
  • 設備の修理費用、初期費用がかかることもある
  • 確定申告をしなければいけない

デメリットの対策方法

賃貸管理における手間、発生するトラブルについては賃貸管理会社に委託することで解決できます。5~10%の管理手数料は発生しますが、入居者とのやり取りや、多岐に渡る賃貸管理を自分で行うことを考えれば、賃貸管理会社に委託するメリットは大きく安心できます。

設備故障のトラブルや近隣住民とのトラブルが発生することもありますが、賃貸管理会社に委託することで入居時の点検や入居審査をしっかりやってくれます。それでもトラブルが起きたときは、貸主と借主の間に入ってくれるので安心です。

実家が遠方にある場合は、自分で対応することが難しいため、賃貸管理会社の利用は必須となるでしょう。

設備の修理については、設備の修理を「しない」選択肢もありますが、「しない」ことのデメリットの方が大きく、修理することで早期に借主を見付けやすくなるでしょう。

初期費用は「ハウスクリーニング」を指します。実家の状態にもよりますが、リフォームなどを行わずとも、ハウスクリーニングだけで貸し出せることは多々あります
リフォームについて詳しくは「4.実家を賃貸に出すとき、リフォームはどうする?」で説明しますが、ハウスクリーニングを行うだけでは貸し出しづらい場合や、そのままでは家賃があまり期待できないときに、リフォームを検討します。まずは少額の初期費用で賃貸に出すことを検討しましょう。

確定申告は管理会社に相談することで必要な書類を用意してくれるでしょう。申告時は管轄の税務署に相談することでサポートが受けられます。税理士に依頼することも可能ですが、費用がかかるため可能な限りご自身で行うことをおすすめします。

賃貸に出さないリスク

全国的な空き家問題の広がりを背景として、2015年には空き家問題の解決を目的とした「空き家対策特別措置法」が施行されています。この法律によって空き家所有者に罰則を伴うものも含め、年々何らかの措置が実行されることが増えてきています。ここでは空き家になった実家を賃貸に出さないリスクや危険性を挙げていきます。

建物や設備が劣化するリスク

賃貸に出さない場合、家全体は締め切った状態になります。このような場合、湿気が溜まりカビの発生や畳の膨張、木造部分が腐ります。そうなることでシロアリなどが発生します。

防犯のために雨戸を閉めるでしょうから、太陽光が入らず暗くなり湿度も上がるためダニの発生や家具などの腐敗が進みます。人が生活しないことで家の劣化するスピードが早まる危険性があります

環境が荒れるリスク

庭がある場合、空き家のままにしておくと庭木や雑草が繁茂します。そうなることで虫や害獣が居付き近隣に迷惑がかかります。景観も悪化することからペットボトルなどのゴミが捨てられることもあります。1度ゴミが捨てられ、そのままの状態が続くと不法投棄が続きます。また、外壁に落書きされたり、窓が割られたりするなどの悪戯が起こる危険性があります。

治安が悪化するリスク

誰も住んでないことが分かると、泥棒に入られたり不審者が居付き犯罪に使われたりする危険性もあるでしょう。最悪のケースとしてそれらのたばこの不始末などから火災にもつながります。近隣に延焼した場合の責任は実家の所有者になるため、訴訟につながる危険性も十分にあります。

固定資産税が上がるリスク

空き家のままにしていると倒壊など周囲に危険を及ぼす可能性のある「特定空き家」に認定され固定資産税などが6倍に増額される可能性もあります

また「特定空き家」に認定されると自治体から行政指導が行われ、最大50万円の罰金、最悪の場合は強制的に取り壊す、または修繕し所有者に費用が請求されてしまいます

空き家等対策特別措置法の内容

参考:「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(国土交通省)

空き家の実家を賃貸に出す流れと契約のポイント

空き家の実家を賃貸に出す流れと契約のポイント

実家を賃貸に出す場合の流れと状況に合わせた賃貸借契約のポイントをご案内します。

賃貸に出す流れ

入居者と契約までの流れは、次のとおりです。なお、ここでは不動産管理会社に委託することを前提としています。

賃貸管理会社を探し、賃料査定を依頼する

まず、賃貸管理会社をインターネットで検索し、賃料査定や問合せをします。

一括見積査定サイトなどもありますが、各会社から個別かつ一斉に電話やメールでの連絡があるので煩雑になり、手間が増えます。コツは大手の賃貸管理会社を中心に2~3社に依頼することです

賃料査定の際、他社に比べて高い査定額を出す管理会社があれば注意が必要です。必ず根拠を確認しましょう。自社サービスに申込させるためだけに提示している場合があります。

当社でも無料の賃料査定サービスを行っております。当社は40年以上の賃貸管理実績があり、一軒家の実績も豊富ですので、実家が一軒家の場合もお気軽にご利用ください。

委託を任せる賃貸管理会社を決める

賃貸管理会社を利用する際は、5~10%の手数料が発生します。この範囲に納まっているかが、基準の一つになるでしょう。ただし手数料はサービス内容により異なることが多く、安さだけで選ぶと提供されるサービスが少なく、自分の手間が増えることも考えられるので注意が必要です。

入居条件、家賃などを決める

依頼する不動産管理会社を決めたら、賃貸管理会社に提示された査定額を目安として、貸主の希望や周りの物件の状況と調整しながら、実際に募集する家賃を決めていきます。家賃は自由に設定できますが、相場より高く設定すると入居者が見つかりにくくなります。

また、入居にあたって条件を設定できますが、多すぎる条件は入居者候補を狭めてしまうため、「ペット飼育不可」や「禁煙」など、まずは一般的に設定されている条件にとどめて様子をみましょう

入居者を募集する

入居者募集の手続きは管理会社が行うので、貸主が行うことはありません。

当社では、不動産ポータルサイトなどへの広告掲載あわせて、企業へ社宅として貸し出す法人契約や、グループ会社のネットワークを生かした入居者募集など、独自チャネルを活用します。

賃貸借契約を結ぶ

入居希望者から申し込みが入ったら、管理会社が入居審査を実施します。

入居審査は信用機関や不動産管理会社独自の基準により審査され、最終的な入居の可否は貸主が決めます。信用機関や不動産管理会社による審査では、職業や過去の滞納歴などの支払い能力が審査対象です。

適切な入居審査が行われば、家賃の不払いのリスクも軽減されるでしょう

長期的に賃貸に出すときの契約方法

実家にしばらく住む予定がない場合は一般的な契約方法である「普通借家契約」で締結します

更新が前提で借主も長期に住めることから、相場通りの条件で賃貸に出せます。また、長期間の入居になることから、リフォームをしても費用回収の計画も立てやすいでしょう。

一方で自分達が住みたくなった場合、貸主から解約を求めたり、契約の更新を拒否したりすることが難しく、立ち退かせることが原則できません。貸主から契約を終了する場合には、正当事由と呼ばれる貸主が契約を終了する必要があると認められるだけの事情が必要となります。

一時的に賃貸に出すときの契約方法

自分達が将来的に実家に住む可能性があるような場合は「定期借家契約」で締結します

前もって契約終了日を決めるため、自分達が住むときにスムーズに明け渡しされます。半年前に解約通知を行わなければなりませんが、貸主と借主双方が合意すれば再契約も可能です。

一方で、家を借りたい方は長期で住みたい意向が強く、定期借家契約で賃貸に出す場合は、相場より家賃を安くした方が決まりやすい傾向があります

契約方法別│賃貸管理会社選びのポイント

契約方法別│賃貸管理会社選びのポイント

実家を賃貸に出す上で、賃貸管理会社選びは重要になります。契約方法別にどのような基準で賃貸管理会社を選ぶと良いかポイントをご案内します。

普通借家契約

当面、入居予定がなく実家を長期で貸し出す場合は、普通借家契約を結びますが、その際以下をポイントとしましょう。

  • 管理手数料は妥当か
  • 賃貸管理、管理戸数の実績が多い
  • 賃貸内容に応じた解決方法を提案してくれる
  • いざという時に貸主を守る保証サービス、24時間対応などサポート体制は充実しているか
  • インターネットから実際に賃料査定や相談をしてホームページの印象と対応などに問題がないか確認してみる

ただし、実家を賃貸に出す場合、「一軒家」「築年数の経過」「現在の耐震基準に適合しているか」「リフォームの必要性」など一般的な賃貸と異なる側面もあるでしょう。また、空き家期間が続いている事も考えられます。そのため、事例が少ない賃貸管理会社もあるので色々質問して慣れている管理会社を選定しましょう。

そのほか一般的なポイントとしては、賃貸管理手数料が5~10%くらいに納まるか、仲介から賃貸管理までをトータルに委託できるのかなど業務内容にどのような差があるかを確認します

また、「転貸借」という方式で賃貸管理の手間をほとんどなくせる方式をとっている賃貸管理会社もあります。

先述した通り2~3の賃貸管理会社に問合せ、それぞれのサービス内容や業務範囲を確認すると良いでしょう。このとき、手数料が高すぎる、安すぎる場合は注意が必要です。余計なサービスがついている、自分がやらなくてはいけない事が多い。などがあります。

具体的には大手の賃貸管理会社であれば管理戸数の多さや実績が多い傾向があるため安心できるでしょう。また地域に根差した地元の賃貸管理会社も大手にはない情報があるかもしれません。

定期借家契約

普通借家契約の項目にプラスして、定期借家契約の事例が多い賃貸管理会社を選ぶべきでしょう。

具体的には「リロケーション」会社が良いと考えられます。リロケーションとは、転勤などの一定期間、空き家になる家を貸し出すことを言います。定期借家契約の事例は少なく、リロケーション会社のような専門的な賃貸管理会社の方が様々な事例もあるため、安心です。リロケーション会社であっても、普通借家契約の扱いはあります。両軸で相談ができるため心強いでしょう。

実家を賃貸に出すとき、リフォームはどうする?

実家を賃貸に出すとき、リフォームはどうする?

リフォームが必要かどうかは、実際に賃貸管理会社に貸し出す実家まで訪問してもらい、診断してもらいましょう。当社では賃料査定とあわせて、無料で診断を行っており、出張費用などもかかりません。

壁紙の破れや床の傷が目立つ家は、清潔であっても人気が下がります。初期費用を投じて壁紙や床材を新しくすることで、内見に訪れた人の印象を良くし、賃料や入居率の改善につなげます。

このとき、賃貸管理会社への相談をおすすめするのは、リフォーム会社では見落とされがちな、見込める家賃とリフォームに掛けられる費用のバランスについて考慮した提案を受けられるからです。

リフォームは投資でもあるため、大まかにでも回収計画を立てておく必要があります。年間の家賃収入と、税金や管理手数料などの支出を考慮して回収計画を立てますが、過剰にリフォームをすると回収までの期間が長くなります。

賃料相場を把握している賃貸管理会社であれば、家賃収入からかけても良いリフォーム費用を算出して、リフォーム範囲のアドバイスをしてくれます。リフォームによる賃料アップを狙うことは可能ですが、相場からかけ離れた大幅な賃料アップを期待することは難しいでしょう。

また、リフォーム以上に大事なのは新耐震基準に適合しているかです。

リフォームをどうするかは、賃貸管理会社の訪問による詳細な賃料査定を受け、近隣の家賃相場を鑑みながら、どの範囲をリフォームすれば良いか相談しましょう。

実家を賃貸に出すとき、残っている家具はどうする?

実家を賃貸に出すとき、残っている家具はどうする?

実家を貸し出す際に家具が残っている場合は、全撤去となることが一般的です。

このとき、不用品買い取り業者を利用するか、処分するかどうか決めきれない場合はトランクルームを利用すると良いでしょう。

当社では転勤での一時的な貸し出しのお客様が多いため、リロケーションに関わる様々なサービスを提供しています。その中の一つとしてトランクルームや不用品買い取り業者とも連携し、当社ならではの特典も用意しています

海外・国内転勤の準備を便利に│家財保管(トランクルーム)
不用品の買取・処分

賃料の一括前払がある新しいサービス

賃料の一括前払がある新しいサービス

賃貸にはリスクがあります。リスクを可能な範囲で目的に応じてコントロールすることが、賃貸経営を成功させるためには大切です。

リスクをコントロールする上で、「初期費用」「契約の種類」など、これらも非常に重要ですが、「賃貸経営でどのサービスを利用するか」も成否に関わる重要なことです。

賃貸管理会社や賃貸管理サービス、オプションの組み合わせによっても、リスクの内容や大きさが変わります。 相続した実家を賃貸に出そうと検討する場合、次のようなことが当てはまりやすいかと思います。

  • 古くて工事費がかさむなど「初期費用に関する悩み」が生じやすい
  • 「月々の家賃収入で大きな利益を得る」よりも「実家の資産価値の維持・回復」を重視したい

リロの留守宅管理では、空き家に「賃貸」という選択肢を持ってもらうため、新たに空き家を資産として賃貸活用してもらうための「リロの空き家再生」というサービスをつくりました。

嬉しい空室時の賃料保証!入居者募集の心配なし

5年間の定期借家契約を締結し、契約開始後1~3ヶ月間の免責期間の後、3年間の賃料を保証します。賃料保証期間の終了時点(3年経過時点)で入居者がいる場合は、4年目以降も入居者が退去するまで賃料保証が継続します。

賃料の一括前払いで資金の安心

当社が査定する市場相場賃料の80%を保証賃料として前払いいたします。

リフォーム費用が一括払いの金額内であれば、自己資金の持ち出しはありません。リフォーム工事は当社が請け負い、工事代金のお支払いは一括払い総額から相殺いたします。

まとめ

実家を貸し出す際のメリット、デメリット、貸し出す際の流れや契約方法のポイント、リフォームはどうすべきかをご案内してきました。

実家を貸し出すメリットは、家賃収入を得ながら人が生活することで、空き家にしておくと発生するダメージを回避し、実家の資産価値を守れることです。また、いつかその実家に住むこともできます。

一方デメリットは、貸し出すことで多岐に渡る賃貸管理業務が発生し、手間がかかります。しかし賃貸管理会社に委託することで、ほとんどの手間は軽減できるでしょう。管理手数料は発生しますが、支出以上に得られるメリットの方が大きいといえます。

貸し出すときの流れは、2~3の賃貸管理会社に賃料査定を依頼し、管理手数料とサービス内容が見合っているか、管理戸数や賃貸管理業の実績を確認すると良いでしょう。

貸し出す際の契約方法は、住まないことを前提とした長期的な貸し出しは「普通借家契約」、いつか住むことを前提とした一時的な貸し出しは「定期借家契約」と異なります。

当社では賃貸管理業40年の実績から生まれた3年分の賃料を一括前払いする「リロの空き家再生」というサービスがあります。このサービスは一般的な賃貸管理だと利用しにくいお客様にも安心して賃貸ができるように誕生したサービスで多くの媒体にも掲載されました。空き家の実家を賃貸に出すことを考えている際は、お気軽にご連絡ください。

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