初めて家を貸し出す場合には、どのくらいの家賃で貸すことができるのか見当がつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は家を貸すときに、何を目安に、どのように家賃を決めれば良いのか、家賃を決定する方法について説明します。
家を貸す際は、不動産会社に賃料査定を依頼して家賃を算出してもらうことが一般的です。
家賃の査定は、周辺の類似物件の賃料を参考に算出されます。
具体的には、本章で紹介される「賃貸事例比較法」を用いて査定されることが多いです。
家賃の算出方法には、理論的な方法がいくつか存在します。
ここでは、不動産鑑定士と呼ばれる国家資格者が賃料の鑑定評価を依頼された場合に用いる手法を紹介します。
少し専門的な話になりますので、興味のない方は「2.家賃を決めるときに大事なポイント」から読んでいただいて構いません。
この記事では賃貸運営における賃料を求めるための方法をお伝えします。
((土地+建築費用)×期待できる利回り)+諸経費[年間])÷12か月
投下資本に対して、どれだけの賃料を設定するのが適切か、という観点から家賃を算出する方法です。物件所有者の立場から見て、適正な利益を確保できる家賃を算出します。主に事業用の新築物件で使用されます。
商業施設や病院、ホテル等において、企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産の純収益を求め、これに必要諸経費等を加算して収益賃料を求めます。住宅や事務所等では使用されません。
周辺の取引事例をもとに家賃を算出する方法です。先に挙げた二つの方法が「いくらで貸せばいいか」「いくらで貸さなければならないか」を考える方法であったのに対して、この方法は「実際にいくらで貸せそうか」を調べる方法です。
対象物件と類似する複数の事例を用意し、階数や設備などを比較しながら、募集時期も考慮して算出します。住宅の賃料査定で主に用いられている算出方法で、「リロの留守宅管理」の査定もこの方法を用いて算出しています。
実際に賃貸物件の家賃はどのようにして決められているのでしょうか。家賃の決定に影響与える7つのポイントをご紹介します。
家賃は自由に設定できますが、前述の7つのポイントをもとに決めても、競合となる物件の条件の方が良ければ、選んでもらうことは難しくなります。入居者を見つけるためには、貸し出したい物件に設定すべき家賃の目安を知っておく必要があります。妥当な家賃の額を知るには、どのような方法があるのでしょうか。
不動産ポータルサイトには、多くの物件情報が掲載されています。最寄り駅や物件の広さ、築年数など、貸し出したい物件の条件を入力し、同じような条件の賃貸物件の家賃を調べてみましょう。
もし、近くに似たような条件の物件がない場合は、近隣の駅まで対象を広げて物件を探してみるとよいでしょう。また、別の路線であっても、ターミナル駅までの距離が同じくらいの駅にある物件であれば、家賃相場も似通っている可能性があります。駅からの距離や広さ、築年数などが似ている条件に絞って家賃を調べてみると参考になります。
ポータルサイトに掲載されている情報は、現在入居者を募集している物件に限られるため、近いエリアで、近い条件の物件をたくさん見つけることは難しいでしょう。そのような場合には、最寄り駅からの距離や築年数、広さなどによって家賃のデータを分けてみましょう。
駅から離れるごとに変わる家賃の差額や、築年数が増えるごとに変わる家賃の差額を分析し、貸し出したい家やマンションの条件に当てはめてみると、より家賃相場に近い値を導き出すことができます。
前述した方法は家賃の目安を知る方法であり、実際は不動産会社に聞くことで現実的な家賃を知ることができます。不動産会社は過去の取引実績やデータベースを保有しており、エリアごとの家賃相場を把握しています。
ただし、不動産会社によっては、ワンルームマンション等の投資用物件の家賃相場は把握していても、ファミリー向け物件の取り扱いは少なく、家賃の相場を把握していないこともあります。ホームページなどからそれぞれの強みを確認しましょう。
また、あらかじめ期間を定めて物件を貸し出す場合には、このような物件を専門的に扱うリロケーション会社など、実績のある会社に相談することをおすすめします。リロケーションとは転勤等により一時的な期間だけ家を貸すことであり、リロケーション会社とはリロケーションも扱っている不動産会社のことを指します。
家賃の目安となるものや家賃を左右する条件について紹介してきましたが、具体的な家賃の目安を知りたい場合は、賃料査定を受けることをおすすめします。ポータルサイトで入居者募集されている物件は、賃料査定をもとに家賃を決めているものがほとんどです。実際に賃貸をうまくいかせようと思った場合、取引事例比較法で求めた現時点での相場に対して、相場を吊り上げてでも賃料の高額化を狙うことや、逆に安めの賃料に設定して他の物件より入居者募集を有利に進めること、これらを戦略的に考えることで募集時の賃料を決定しなければなりません。
実際に賃貸をうまくいかせようと思った場合、賃貸事例比較法で求めた現時点での相場に対して、相場を吊り上げてでも賃料の高額化を狙うことや、逆に安めの賃料に設定して他の物件より入居者募集を有利に進めること、これらを戦略的に考えることで募集時の賃料を決定しなければなりません。
一般的に、不動産会社は妥当な家賃を算出するために過去の相場などの情報とノウハウを持っており、賃料査定を依頼すると目安となる家賃を教えてもらうことが可能です。エリアや広さなどの物件の特徴や賃貸契約の方法、貸し出し期間などの貸し出し条件が近しい物件の取引事例があれば、その家賃を目安として活用することができます。また、駅からの距離や築年数を重ねるごとの家賃相場の変動など、これまでの取引データが活用されるため、不動産会社が行う賃料査定では、より正確に家賃の目安を算出できます。
賃料査定を依頼すれば、家賃の目安を知ることができますが、物件を希望に近い条件で貸し出すためには、賃料査定時にどのようなことに気を付けるとよいのでしょうか。
・複数の会社に査定を依頼する 賃料査定を複数の不動産会社に依頼することも多いですが、それはより高い査定額を提示する会社を見つけるためではありません。査定額は会社によって算出基準が異なる場合があります。査定額の算出の根拠を確認し、複数の査定結果を比較することで、会社ごとの考え方だけでなく、管理のサービス内容も知ることができます。
・提示された査定額に込められた意味を確認する 家賃の査定額は、幅を持たせて提示されることもあります。査定時には「できるだけ早く貸し出したい」「賃料収入を重視したい」といった貸主の希望も伝えることで、募集時の実際の賃料設定についても提案がなされる場合が多いです。複数の不動産会社に家賃の査定を依頼する際には、提示される査定額だけでなく、どの会社、どの担当者の提案が自分の考えを正確に反映できた納得できるものであるかを見極め、希望の貸し出しを実現できる提案をしている会社を選ぶことをおすすめします。
・期間を限定して貸し出したい場合は、実績のある会社に依頼を 転勤の期間だけ物件を貸し出すリロケーションを利用したいと考えている場合は、リロケーションの実績を豊富に持つ会社に依頼することも重要なポイントです。貸し出す際の家賃は、貸し出しできる期間によっても変わります。期間限定で貸し出す場合には、どのくらい貸し出す予定でいるのか、想定している貸し出し期間についても情報共有しておきましょう。
家を貸し出すシチュエーションとして「転勤中に期間限定で貸したい」「相続した物件を貸したい」など様々なケースが考えられます。
とくに転勤期間中の賃貸では、利益を追い求めるのではなく、住宅ローンの返済や家の維持費用を賄うことができればよい、という考え方があります。家を所有していると固定資産税などの税金や修繕費用が発生します。これらの年間の支出額をもとに、収支がマイナスとならないよう、家賃を決めることも重要なポイントです。
この記事では、家を貸し出す時の家賃の決定方法について紹介しました。
家賃の目安は、物件の人気や希少性、市場の相場によって変動します。ご自身で不動産ポータルサイトを使って似たような物件の家賃を調べると、ある程度の家賃の目安を知ることが可能です。より正確に妥当な家賃の額を知りたい場合には、不動産会社に賃料査定を依頼するとよいでしょう。
賃料査定は無料で依頼できることが一般的です。複数の会社に査定を依頼するときは、査定額だけでなく査定方法や提案内容を比較してみると会社ごとの違いを理解することができます。特に期間を限定して貸し出しを検討している場合には、リロケーションの実績が豊富な会社に依頼することがおすすめです。
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