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公開日2022年4月12日

【初心者必見】家を貸すとき家賃はどうやって決めればいいの?家賃の目安になるものとは

【初心者必見】家を貸すとき家賃はどうやって決めればいいの?家賃の目安になるものとは

「転勤が決まった」、「親の介護でしばらく実家に帰ることになった」など、一時的に所有している家やマンションに住むことができなくなるケースがあります。いずれまた住む予定がある場合は、売却するという決断には至らない場合もあるでしょう。そんなときには、しばらく住む予定がない家やマンションを賃貸に出して、家賃収入を得るという方法があります。

しかし、初めて家を貸し出す場合には、どのくらいの家賃で貸すことができるのか見当がつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は家を貸すときに、何を目安に、どのように家賃を決めれば良いのか、家賃を決定する方法について説明します。

家賃は家やマンションを借りるときの重要な条件

賃貸物件を借りるときに、家賃は物件を選ぶ際の重要な条件となります。賃貸物件を探すときの手順を考えながら、家賃がなぜ物件選びの重要なポイントになるのかを考えてみましょう。

入居者は物件の「家賃」と「特徴」を比較する

家やマンションを貸し出す前に、もし、ご自身が賃貸住宅を探すと仮定した場合、どのように物件を探すのかを想像してみてください。おそらく多くの人は、さまざまな賃貸物件が掲載されているポータルサイトを利用して、住む地域や広さ、家賃など、希望の条件を入力して物件を絞り込んでいくのではないでしょうか。

希望条件によって絞り込まれ、一覧として表示された物件のリストには、最も目立つ位置に家賃や管理費などの賃料条件が表示されます。このようなサイトで間取りや広さ、最寄り駅からの距離よりも、家賃が目立つ場所に表示されるのはなぜでしょうか。それは、家を借りるために賃貸物件を探す人の多くは、「家賃」と「物件の特徴(広さや駅からの距離、内装のきれいさ、外観など)」を比較し、どの物件がどれだけお得かを見極めようとしているからなのです。

賃貸市場において、早く掲載した物件から順に入居者が決まっていくわけではありません。似たような条件の他の物件に比べて割高な家賃設定にしていると、後から掲載された物件に先を越されてしまい、なかなか入居者が獲得できないというケースも出てきます。一方で、人気の設備が備わっている物件、お洒落な外観や内装が目を引く物件など、物件の特徴によっては特定の入居者のニーズを満たすことで、多少家賃が高くても、他の物件より先に入居者を獲得できるというケースもあります。

家を上手に貸し出すためには、家賃をいくらに設定するかが重要

賃貸物件を借りようと思う人は、どのような物件を、いくらで借りることができるかを重視して物件を探します。

家を貸したいときには、物件の立地や広さなどの変えることの難しい条件を鑑みたうえで、家賃をいくらに設定するかを決定しましょう。設定した家賃の額が物件に対して妥当でなければ、入居者をスムーズに獲得することは難しくなります。何を目安にして家賃をいくらに決めるかは、家を貸し出すうえで非常に重要な設定条件になってきます。

家賃を決めるときには、入居者側の目線も大切

家賃を決めるときには、入居者側の目線も大切

所有している家やマンションを貸し出すときには、貸主としてどのくらいの家賃収入を得られるのかも気になる点です。貸主の中には、物件の取得価格や住宅ローンの返済額などを目安に家賃を設定したいと考える方もいらっしゃいます。

しかし、便利な設備が整っていて、きれいな物件であっても、近隣の家賃相場と比較して極端に高い家賃を設定してしまうと、入居者を獲得しにくい可能性があります。特に転勤などで自宅を離れる場合など、期間を限定して自宅を賃貸に出したいという場合には、家賃にこだわりすぎると入居者がなかなか見つからず、元々限られた貸し出せる期間の中で借りてもらえる期間が短くなってしまいます。募集開始から長期間経過し、入居してから短い期間で必ず退去しなければならない物件となると、入居者は地域に慣れる前に引っ越さなければならず、引越し費用も余計に発生することを想定するため、その物件は敬遠されやすくなります。貸し出し期間があまりにも短い物件では、家賃設定を大きく引き下げたとしても入居者の獲得自体が難しくなってしまいます。期間限定の賃貸では特に、限られた期間を有効に活用するための慎重な賃料設定が必要になります。

入居者は貸主側の事情を考えて、物件を探しているわけではありません。賃貸物件を探している人は自分が住みたいと思える家が、支払っても良いと考えられる家賃であった場合に入居します。スムーズに入居者を獲得するためには、貸主側の事情ではなく、入居者側の視点に立った家賃設定を行うことも大切です。

家賃の目安を知るために、妥当な家賃を調べる方法とは

一般的に割高だと感じる家賃設定では、入居者を募集してもなかなか応募が増えません。反対にあまりに家賃を低くしてしまうと、家賃収入として得られる額も低くなってしまいます。上手に入居者を募集するためには家賃を高すぎず、安すぎない、妥当な金額の範囲に設定することが大切です。そのためには、貸し出したい物件に設定すべき家賃の目安を知っておく必要があります。家賃の妥当な額を知るには、どのような方法があるのでしょうか。

条件が近い物件の相場を調べる

インターネットの不動産ポータルサイトには、多くの物件情報が掲載されています。最寄り駅や物件の広さ、築年数など、貸し出したい物件の条件を入力し、同じような条件の賃貸物件の家賃を調べてみましょう。

もし、近くに似たような条件の物件がない場合は、近隣の駅まで対象を広げて物件を探してみるとよいでしょう。また、別の路線であっても、ターミナル駅までの距離が同じくらいの駅にある物件であれば、家賃相場も似通っている可能性があります。駅からの距離や広さ、築年数などが似ている条件に絞って家賃を調べてみると参考になります。

家賃データの分析をする

ポータルサイトに掲載されている情報は、現在入居者を募集している物件に限られるため、近いエリアで、近い条件の物件をたくさん見つけることは難しいでしょう。そのような場合には、最寄り駅からの距離や築年数、広さなどによって家賃のデータを分けてみましょう。駅から離れるごとに変わる家賃の差額や、築年数が増えるごとに変わる家賃の差額を分析し、貸し出したい家やマンションの条件に当てはめてみると、より家賃相場に近い値を導き出すことができます。

不動産会社に聞いてみる

不動産会社は過去の取引実績やデータベースを保有しており、エリアごとの家賃相場を把握しています。しかし、地元の不動産会社ではワンルームマンション等の投資用物件の家賃相場は把握していても、ファミリー向け物件や予め期間を定めて物件を貸す場合の定期借家契約の物件については取り扱っているケースが少なく、家賃の相場を把握していない可能性があります。定期借家契約等で家を貸し出す場合には、そのような物件を専門的に扱うリロケーション会社など、実績のある会社に相談することをおすすめします。

家賃の決め方、何を目安にどう決める? 

家賃の決め方、何を目安にどう決める?

家賃の目安について、相場の調べ方をご紹介しました。では実際、賃貸物件の家賃はどのようにして決められているのでしょうか。家賃の決定に影響を与える条件には、次のようなものがあります。

家賃は、貸し出す物件の状態で決まる

家賃は、以下にご紹介するような物件の状態によって左右されることが多くなります。

エリアの利便性、生活環境、周辺環境
毎日生活をする場所であれば、便利で安心できる場所に住みたいという希望は誰もが抱くものでしょう。通勤や移動に便利な場所であることはもちろん、スーパー・医療機関・学校などが近隣にあり生活に便利な場所であること、治安がよく安心して暮らせる地域であることなど、立地条件は家賃に大きな影響を与えます。

セキュリティ等の設備
安全性を重視する子育て世代などでは、ホームセキュリティや防犯カメラなどのセキュリティ設備が整っている住宅が人気です。セキュリティ設備が充実している場合は、家賃を多少高めに設定しても入居に結び付きやすくなります。

建物や室内の状態
建物の外見や室内の状態がきれいであれば入居者からは高く評価されます。物件の立地を変えることはできませんが、リフォームやリノベーションを行えば、相場に比べて高めの家賃でも、多少場所が不便でも、入居者が獲得しやすくなる期待を持てます。

家賃は、市場の状態で決まる

物件の状態に加え、その物件の現在の希少性や人気度合いといった需給バランスの変化も家賃の額に影響を与えます。どのような物件がどれくらいの件数、入居者の募集をしているか、不動産ポータルサイトで調べてみると知ることができます。しかし、現在の募集状況だけではなく、貸し出したい物件と似たような物件が、どのくらい成約に至っているのかといった情報は、継続的な調査を行わなければなかなか分かりません。

家賃は、貸し出す人の意向によって変動する

家賃を決める際には、入居者の目線も大切であると前述しました。しかし、最終的に家賃を決定するのは、貸主です。相場より家賃を安く設定すれば、入居者は決まりやすいものの、得られる家賃収入は抑えられてしまいます。逆に、貸し出す物件の本来の価値よりも現在の家賃相場が低くなっていると判断するときには、家賃を高く設定することも可能です。その場合、入居者募集で苦戦する可能性もありますが、その他の条件が入居希望者のニーズにぴったり合い、家賃を妥当と捉えられれば、収入を増やすことができます。 家賃の目安には物件の状態や市場の状態が関係しますが、貸主が高額な家賃と確実な収入、どちらを優先するかというように、どのような考えで物件を貸し出したいのかによっても家賃は変動するものです。

貸し出す期間によっても家賃は変動する

家賃は特約など契約の条件によっても変動しますが、中でも特に大きな影響を与えるのは賃貸借契約の種類です。期間を限定して貸し出す定期借家契約や一時使用賃貸借契約といった契約方式を選択する場合、一般的によく用いられる普通借家契約よりも家賃は割安です。期間限定の賃貸物件の場合、契約期間満了時に入居者は退去しなければならず、普通借家契約よりも貸主からの解約が行いやすいため、これは入居者にとってのデメリットとなる可能性があります。このデメリットをカバーして入居者を獲得しやすくするためには、期間を区切った賃貸契約で貸し出す場合は家賃を相場よりも低めに設定することが一般的となっています。

家賃の目安を具体的に知りたい場合は、賃料査定を

家賃の目安となるものや家賃を左右する条件について紹介してきましたが、具体的な家賃の目安額を知りたい場合は、賃料査定を受けることをおすすめします。

・賃料査定とは

賃料査定とは、不動産会社に依頼してどのくらいの家賃が妥当になるのかの査定を受けることです。賃料査定には、周辺の取引結果を元に算出する方法や実際に貸し出す物件を訪問して物件の状態を確認したうえで算出する方法があります。

賃料査定のメリット

一般的に、不動産会社は妥当な家賃を算出するための様々な情報とノウハウを持っており、賃料査定を依頼すると目安となる家賃を教えてもらうことが可能です。物件のあるエリアや広さなどの物件の特徴や賃貸契約の方法、貸し出し期間などの貸し出し条件が近しい物件の取引事例があれば、その家賃を目安として活用することができます。また、駅からの距離や築年数を重ねるごとの家賃相場の変動など、これまでの取引データが活用されるため、不動産会社が行う賃料査定では、より正確に家賃の目安を算出できます。

賃料査定時に気を付けたいこと

賃料査定を依頼すれば、家賃の目安を知ることができますが、家やマンションを希望に近い形で貸し出すためには、賃料査定時にどのようなことに気を付けるとよいのでしょうか。

・複数の会社に査定を依頼する

初めて賃料査定を依頼するときは、比較のために複数の不動産会社に依頼することも多いです。複数の不動産会社に賃料査定を依頼しても、おそらく査定額に大きな差が出てくることは少ないと思われます。複数の会社に査定を依頼するとすれば、それはより高い査定額を提示する会社を見つけるためではありません。高い家賃を設定したところで、実際に家を借りるのは入居者です。提示された高い査定額のまま家賃を設定して入居者募集をしても、その額に入居希望者が納得し、入居に至らなければ意味がありません。査定時にはどのようなものを参考に査定額を算出したのか、算出の根拠を確認してみましょう。会社によって算出基準に違いがある場合もあり、算出方法を知ることでその会社の考え方を知ることができます。

・提示された査定額に込められた意味を確認する

家賃の査定額は多くの場合、〇万〇千円~〇万〇千円といったように、幅を持たせた形で示されます。最大額には、ある条件の下ではこのくらいの家賃でも入居者を獲得できる可能性があるといった意味合いが、最低額の場合は募集から間もなく入居者が決まる可能性が高いなどといった意味合いが隠されている場合があります。 査定時には、「できるだけ早く貸し出したい」、「賃料収入を重視したい」といった貸主の希望も伝えることで、募集時の実際の賃料設定についても提案がなされる場合が多いです。そして、その時の提案内容は、査定を依頼した不動産会社、担当者の考え方や経験によって異なります。複数の不動産会社に家賃の査定を依頼する際には、提示される査定額だけでなく、どの会社、どの担当者の提案が自分の考えを正確に反映できた納得できるものであるかを見極め、希望の貸し出しを実現できる提案をしている会社を選ぶことをおすすめします。

・期間を限定して貸し出したい場合は、実績のある会社に依頼を

転勤の期間だけ物件を貸し出すリロケーションを利用したいと考えている場合は、リロケーションの実績を豊富に持つ会社に依頼することも大切です。

貸し出した際の家賃は、貸し出しできる期間によっても変わります。期間限定で貸し出す場合には、どのくらい貸し出す予定でいるのか、想定している貸し出し期間についても情報共有しておきましょう。

まとめ

家を貸し出す時の家賃の決定方法について紹介しました。賃貸住宅を探す人は家賃と物件の特徴のバランスから入居物件を決定しており、家賃がいくらであるかによって入居者をスムーズに獲得できるかどうかが変わります。

家賃の目安は、物件の人気や希少性、市場の相場によって変動します。ご自身で不動産ポータルサイトを使って似たような物件の家賃を調べると、ある程度の家賃の目安を知ることが可能です。より正確に妥当な家賃の額を知りたい場合には、不動産会社に賃料査定を依頼するとよいでしょう。

賃料査定は無料で依頼できることが一般的です。複数の会社に査定を依頼するときは、査定額だけでなく査定方法や提案内容を比較してみると会社ごとの違いを理解することができます。期間を限定した貸し出しは賃貸市場において一般的ではありません。期間を限定して貸し出しを検討している場合には、特にリロケーションの実績が豊富な会社に依頼することがおすすめです。

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