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公開日2020年8月27日/更新日2023年7月27日

家の貸し出し方法|賃貸と賃貸併用住宅

家の貸し出し方法|賃貸と賃貸併用住宅

「家を貸し出す」というと、現居を空けてからそのまま貸し出す、一般的な賃貸の方法を想像される方が多いでしょう。しかし、「今の家に住み続けたいけど、どうにか収入は増やしたい」「暮らしていく家族の人数に合わせて家を減築したときに、余った土地を収入源として活用したい」といった状況の場合は、家を賃貸併用住宅に直してから貸し出すということがあります。

今回は、家の貸出方法として、家を丸ごと貸し出す「一般的な賃貸」と「賃貸併用住宅で行う賃貸」の2つをご紹介します。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説しているので、ぜひご覧ください。また、最近注目が集まっている「民泊」についても解説します。

賃貸|一般的な家の貸し出し方法

家の貸し方として通常に多く用いられるのは、家の一部にオーナーが住むといったことは特に考えず、家の全体を貸し出すような賃貸です。入居者との間で賃貸借契約を結び、現在の家をそのままに近い状態で貸し出します。貸し出しやすくするために、一部リフォーム・リノベーションを行うこともありますが、家の構造を変えるといったことは行わず、現況のままで賃貸物件として活用します。

賃貸のメリット

■収益が得られる

家を賃貸物件として貸し出した場合、家賃による月々の収入が、ローン返済などの支出を上回り、不動産による継続的な利益を得られるようになる可能性があります

たとえば、ある物件について、ローン返済額が月々10万円、そのほかの経費が3万円、計13万円の支出が維持費として発生していたとします。これを15万円で貸し出すことができれば、毎月2万円の収益を得ることができます。賃貸を行うことで税金や保険といった支出もかかるため、実際の収支はここまで単純ではありませんが、トータルでプラスにできることも少なくありません。特に、既にローンを完済している物件であれば、これまでたくさんの費用を支払ってきた成果として、維持費を賄った上で、今後は毎月大きな利益を生み出すことに期待が持てます。

もちろん、経費が高かったり、賃貸運用中の空室期間が続いたりすると、思っていたような利益を得られない可能性もあります。しかし、月々の家賃収入をローンなどの支出が上回るような場合でも、売却せずに家を保持しておきたい場合であれば、賃貸に出すことで、維持費の負担を軽減することにつながります。

■建物の劣化を軽減できる

賃貸によって家に入居者がいる状態を保つことで、家を空き家にしている状態に比べて、建物の劣化を軽減する効果が期待できます。 家は、そこに人が住むことで、人が住むための適切な状態を保つことができます。窓の開け閉めは湿気を外へ逃がし、カビの発生などを防ぎます。炊事洗濯が行われることで水道には水が通り、水道管のサビや悪臭の発生を防ぐことができます。このように、普段何気なく行っている行動が、家のメンテナンスにつながっているのです。

家を空けてしまうと、そうした日々行われていたメンテナンスが止まってしまいますが、家を貸すことで、日常的な家の手入れや管理が入居者によって行われるようになります。ちなみに、賃貸借契約書には、通常「賃借人は本物件を善良なる管理者の注意を持って使用する義務を負う」といった、善管注意義務に関する条文が書かれています。平たく言えば「入居者は家を大切に扱ってくださいね」ということが、家を借りる入居者の義務としてきちんと記載されているのです。

■自身による再入居の可能性を残せる

家を売却せずに貸し出すことによって、「オーナーや家族による再入居の可能性を残せる」というメリットがあります。

たとえば、転勤などの理由で現居を離れなくてはならない事情の場合。家を売却してしまうと、後になってから買い戻すことは困難です

一方、家を賃貸物件として貸し出していても、物件の所有権を失ったことにはなりません。帰任時に賃貸借契約の期間が満了を迎えるなどして、入居者が物件を明け渡してくれれば、自宅での生活へと戻ることができます

■よりよい売却の機会をうかがえる

家をすぐに売却せずに賃貸物件にするということは、将来の売却の可能性を残すこととも言えます。

何らかの事情で現居を離れる際の家の取り扱いについて、多くのケースでは売却・賃貸、あるいはその他の選択肢として住居の維持や保守を目的とした空き家管理サービスの利用など、これらからいずれかを選択することになります。ここで売却を選んで実際に家が売れてしまえば、そこで物件の所有権はなくなりますが、賃貸を選べば所有権まではなくなりません。将来的に家を売却する可能性は残されたままです。

物件によっては、価値の下がり方が緩やかであったり、エリアの再開発によって価値が高騰したりするものもあります。こうした場合を想定し、より良い売却の機会をうかがいながら現金収入を得ていけるのは、賃貸運営を行うメリットのひとつです

賃貸のデメリット

次に、家を賃貸することのデメリットの代表例を見ていきましょう。

■賃貸管理には手間がかかる

賃貸借契約書の締結や家賃の集金、クレームへの対応、敷金の精算など。入居者募集から退去後の修繕まで、賃貸経営で収入を得るにはさまざまな管理業務が必要になります。

これら賃貸運営に必要な賃貸管理業務をオーナー自身の手によって行うことも、状況によっては可能なことかも知れません。しかし、他の多くの資産運用の方法と同様に、そのために必要となる知識は多く、手間も時間もかかるため、実際には専業大家でもない限り、個人が一通りの賃貸管理業務をこなしていくことは、難しい場合がほとんどでしょう。

そのため、賃貸物件の管理は、手数料や委託料を支払うことで、賃貸管理会社に委託することが一般的です。そうすることで、賃貸管理の手間を大きく減らすことが可能です。特に、賃貸管理会社が賃貸借契約をオーナーと入居者の間に入って行う転貸の契約であれば、オーナーは賃貸管理業務の大部分を手放すことができます。しかし、どれほど多くの手間を賃貸管理会社に任せたとしても、大事な資産の管理において、オーナー本人の判断を要する場面は発生し得ることや、発生した収入は申告して納税を行わなければならないことなど、賃貸を行うために発生する手間というものがある点は覚えておきましょう。

■賃貸によって自由に使えなくなる

賃貸は所有権がオーナーに残る不動産の活用法です。売却と異なり、将来的に家の使い方を検討できる点は、大きなメリットと言えるでしょう。

しかし、賃貸を行うことは、その物件を借りている入居者に物件の取り扱いに関する一定の権利を保証するということでもあります。貸し出している最中のオーナーによる物件の取り扱いは、賃借人の権利により制限されます。物件を取り戻して、オーナーが好きな用途に使いたいと思っても、賃貸借契約はいつでも自由に解約できるわけではなく、契約内容と法律で定められた方法と手順によってのみ解約を行うことができます。入居者に物件から退去してもらうには、ある程度の期間と手続きが必要となり、時には交渉を要する場合もあります。

賃貸借契約の種類

家を貸し出すときに締結する賃貸借契約にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴を踏まえて、適切な契約を選びましょう。

■普通借家契約

賃貸でもっとも広く用いられている契約方法です。契約期間を2年間とし、期間満了となる2年ごとに契約の更新を行うことが一般的です。入居者が希望した場合には契約更新がなされる前提となっており、入居者保護の色合いが強い契約と言われています。行われる退去の多くは入居者の希望によるものとなります。

オーナーから一方的に解約を求めるのは難しく、解約には正当事由と呼ばれる、解約が認められるべき理由となるような事実が必要になります。そのため、将来オーナー自身が物件に再入居する予定がある場合には、不向きな契約だと言えます

■定期借家契約

契約期間が事前に設定されており、期間満了によって賃貸借契約が終了するのが特徴です。引き続き入居者がその物件に住み続けたいのであれば、再契約が必要になります。そのため、解約の条件において、普通借家契約に比べると貸し手の権利が認められた賃貸借契約と言えます。

オーナーが将来的に解約時期に合わせて再入居を希望している場合には、スムーズに手続きが進められるためおすすめです

■一時使用賃貸借契約

建物の一時使用を目的に用いられる賃貸借契約です。たとえば転勤によって一時的に空けることになった自宅を賃貸するといった場面のように、特別な目的で用いられています。転勤のように、一時的な賃貸を必要とする期間が前後しやすい場合でも、一時使用の目的を終える時期に合わせた解約・再入居が可能です

賃貸併用住宅|自宅兼アパートという貸し出し方法

賃貸併用住宅とは、自宅と賃貸物件が一緒になっている建物のことです。複数世帯が住めるだけの広さを持った土地にこれから新築を建てる場合や、同様に十分広い住居のリノベーションを検討する際の選択肢として挙げられます。

賃貸併用住宅のメリット

賃貸併用住宅には、経済的なメリットが多数あります。代表的なものを見ていきましょう。

■ライフスタイルに合わせた建て替えに家賃収入がプラス

たとえば家から子供が独立して部屋が余っていたり、階段を昇る・降りるのが億劫になっていたりする場合、そこでの生活や家の管理を楽にするひとつの手段として、家の減築を行うことが考えられます。広くなって持て余すようになってしまった家を家族の人数に合わせたサイズへと建て替えることで、掃除などは簡単になり、水道光熱費なども無駄なく安く済むようになります。

このとき、単に減築によってコンパクトにするという考えもありますが、不要になった空間から貸し出せるだけの空間を確保できるのであれば、家を賃貸併用住宅へと作り変えることで家賃収入の獲得を狙えるようになります。持て余してしまい、余分なコストを生むだけになっていた土地を収入源に変えることができれば、大きなメリットと言えるでしょう。

■家賃収入はローン返済へ充当可能

建て替えを行う際の費用について、資金を住宅ローンで借り入れる場合が多くあります。現役で定職に就いている方であれば、その収入の範囲内で無理なくローンを組めてさえいれば、仕事の収入が続く限り、大きな不安を感じることは少ないでしょう。

賃貸併用住宅による家賃収入があれば、賃貸部分で得られる家賃収入を自宅用の住宅ローン返済に充てることができます。賃貸運用の状況次第で、建て替え費用の負担を大きく軽減できるため、ローン返済の不安を軽減することにつながります。

■固定資産税が安くなる可能性も

住宅が建てられている土地には、住宅用地の特例が適用され、固定資産税が安くなります。しかし、このなかにも「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」という種類があり、それぞれ課税される額が異なります。

小規模住宅用地とは、ある住宅用地(1画地)について、その中の住宅1戸につき200平方メートルまでの範囲を指します。その住宅用地のそれ以外の範囲は一般住宅用地として扱われます。小規模住宅用地には、課税標準額が価格(評価額)の1/6になる特例措置があります。一方、一般住宅用地の特例措置は、課税標準額が価格(評価額)の1/3になる、というものです。つまり、小規模住宅用地のほうが、固定資産税が安くなります。

たとえば300平方メートルの広い土地に戸建てが1戸だけある場合。200平方メートルまでの土地は小規模住宅用地として見なされますが、残りの100平方メートルの土地は課税標準額が高めの一般住宅用地として見なされてしまいます。

そこで、300平方メートルの住宅用地内に建つ住宅を賃貸併用住宅へと建て替えたとします。すると、自宅部分と賃貸住宅部分で住宅用地内の住宅の戸数はあわせて2戸となり、住宅1戸当たりの住宅用地を200平方メートル以下に収めることができます。300平方メートルの住宅用地全体について、小規模住宅用地として住宅用地の特例が適用されることで固定資産税の節税になります

賃貸併用住宅のデメリット

次に、賃貸併用住宅のデメリットについても見ていきましょう。

■入居者との関係性

賃貸併用住宅では、必然的にオーナーと入居者との距離が近くなります。入居者からすると何かあったときにすぐ相談できる安心面でのメリットがありますし、オーナーとしても入居者について住居の使い方に問題がないか気づきやすいという面はあるため、相性次第では必ずしも悪いことではないかもしれません。しかし、「お金を受け取り、住居を提供するオーナー」と「お金を支払い、住居の提供を受ける入居者」が近くで暮らすことで、お互いに単なるご近所という以上の気遣いが必要となる場合があります。そうしたことを考えると、自分たち家族だけで暮らすことよりも、住宅全体を賃貸に出すことよりも、賃貸併用住宅での賃貸は気楽とは言い難くなる場合が多いと思われます

■自宅は収益を生まない

敷地を全部賃貸として活用した場合に比べると、賃貸併用住宅は自宅部分が収益を生まないため、資産運用や投資としては消極的な選択とも考えられます。代わりにオーナーは他で家を借りるなどの必要がなくなり、自身の住居費がかからないというメリットも生んでいるため、敷地のどの程度の割合を賃貸部分として提供するべきか、将来における収支のバランスも踏まえた上で検討を行う必要があります。敷地を自宅部分と賃貸部分に切り分けたことで、広さが地域の需要と合っていないなどすると、賃貸部分が空室になりやすくなり、大幅に賃貸運用の効率が下がるといった可能性もあるため、期待しただけの家賃収入を持続できそうか、そうした賃貸需要を意識した観点での注意も必要となります。

■将来売却しづらい

建物の構造にもよりますが、一棟タイプの賃貸併用住宅はもともと自宅部分としていた部分の用途が制限されるなどすると、あるいはそれぞれの部分について運用の方針を検討することの煩雑さなどから、投資家からは敬遠される傾向にあり、将来的な売却が難しくなる可能性があります。これを回避するためには、建て替えやリノベーションに当たって、オーナー自身が使用する期間の使い勝手だけを考えて工事を行うのではなく、予め売却時のことも想定した間取りにするといった工夫を考える必要があります。

種類

賃貸併用住宅は、敷地内で自宅部分の割合について、特に自宅部分が50%を超えるか超えないかによっては住宅ローンを組めるかというように、広くするか狭くするかによって異なった特徴があります。以下で、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

■建物の床面積の50%以上が自宅の賃貸併用住宅

住宅ローンの中には、賃貸併用住宅の場合でも自宅部分の床面積の割合が建物全体の50%を超えていることで利用できるといったものがあり、半分以上を自宅にしておくことで「住宅ローンを活用しやすくなる」というメリットがあります。ローンの中でも、金利が低く、借入期間も長期に設定できる住宅ローンを使えることは、毎月の返済額を小さくし、最終的な支払金額を減らすことにつながります。

さらに、住宅ローンを使って建てた賃貸併用住宅は、自宅部分に対して住宅ローン控除の適用が可能となります。これは、返済期間10年以上の住宅ローンの場合、所定の金額が所得税から控除される特例です。自宅部分の借入残高の一部が控除されるため、大きな節税となります。

一方、賃貸部分が小さくなることで家賃収入が少なくなる可能性は高くなります。また、複数戸の賃貸部分を用意するような場合、住宅部分が占める割合を50%以上にするということは、例えば敷地内を自宅部分1戸と賃貸部分2戸の計3戸に分けるとき、それぞれの広さを「1:1:1」のような3等分にはできません。「2:1:1」のように床面積の割合が制限されることに伴い、敷地内の住戸の配置も制限されます。自宅部分が50%以上であることを保つために、賃貸運用がしづらくなう住戸の配置にしてしまうと、住宅ローンで金利が下げられてもかえって収支は悪くなるというデメリットが生まれる可能性があります。

■建物の床面積の50%以上が自宅以外、アパートのような賃貸部分などで用いられる賃貸併用住宅

賃貸部分の割合が50%を超える賃貸併用住宅では、複数戸あるアパートやマンションのうち一室がオーナー邸になっているケースも多く見られます。床面積のうち自宅部分が占める割合が少なくても良いため、賃貸運営のための住戸設計という面で自由度は高くなり、運用における収益性を高く保つことができます。また、そのように運用しやすく作った物件であれば、将来的に売却しやすくなります

一方、建て替えをするのに住宅ローンを使いたい場合には注意が必要です。多くの場合、建て替え時の自宅部分が50%未満になると住宅ローンで銀行から融資を受けることが難しくなります。ローンを組む場合、住宅ローンに比べて金利が高い事業者用ローンなどを用いる必要があります。また、住宅ローンが使えないことによって住宅ローン控除も適用になりません。

■自宅とアパートなどの賃貸部分を別棟とする場合

賃貸併用住宅のなかには、同じ建物の上下(1階・2階・・・)や南北(101・102・103・・・)というように、自宅部分と賃貸部分が分かれているものもありますが、同じ敷地内で、自宅用の建物と賃貸用の建物を別々の棟にして建てているものもあります。

賃貸部分を別棟にするメリットは設計の自由度が増すことです。賃貸部分を別棟にするということは、自宅部分との間にスペースができるということですが、自宅部分の改修について住宅ローンを利用できたならば、住宅ローン控除を適用できる場合もあり、その時には1棟を分けただけの場合と同じく、別棟タイプにしておくことで、将来、売却・相続といった検討を行う際に、自宅と賃貸物件を、それぞれ別々の譲渡先や別々の時期で検討しやすいという点は大きなメリットです。

一方、土地についてはいくつか悩ましい問題が考えられます。将来的な売却・相続を考えると、利用区分に応じて土地を分筆するのが望ましいのですが、この切り分けは簡単ではありません。土地の形状や広さによっては、別棟をあきらめたほうが賢明というケースもあります。

【番外編】民泊ってどう?

「家を貸し出す」とは少し異なりますが、空き家や空き部屋の活用として注目を集めている「民泊」についても簡単に触れておきましょう。これは、宿泊用として提供されている個人宅・別荘・マンションの空室に旅行者等を宿泊させるサービスのことです。「Airbnb」などによって、注目を集めました。

民泊のメリット

民泊のメリットは、空き家や空き部屋などの資産を有効活用できる点です。使っていない空室で収入を得ることができます。民泊には観光客による地域活性化や地方創生への貢献という側面もあり、経済的な利益だけではなく、そうした社会貢献性への期待も、民泊運営を行う人にとって動機付けの一つになっているかも知れません。また、民泊運営の許可を取得しておくことで、売却時に物件のアピールポイントの一つとなる可能性があります。

民泊のデメリット

賃貸のように特定の人にしばらく「住んでもらう」ということと、民泊のように様々な人に一時的な宿として「泊まってもらう」ということには大きな違いがあります。自宅に外国から来た旅行者を迎えて宿泊させるといった利用を想定した場合、文化の違いが原因でトラブルが起こってしまうことも考えられます。民泊経営の際には、宿泊サービスを提供するものとしての宿泊者への配慮や、多種多様なお客様をお迎えする覚悟が必要になります

民泊運営の条件

民泊を運営するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。対象となる家屋が居住要件として下記のいずれかを満たしていなければなりません。

  • 現在も特定の人が継続的に生活を営んでいる家屋
  • 居住用住宅として、分譲、賃貸といった新たな入居者の募集中にある家屋
  • 現在特定の人の生活の拠点になっていなくても、所有者や賃貸の入居者(賃借人)といった人が、随時居住用として利用している家屋
  • 宿泊を提供できる年間の営業日数は180日以内であること

また、これらの民泊運営上の法的な決まりを守っていても、その住居がマンションなどであれば、マンションの管理規約において許されないといったこともあります。

収益を目的に積極的に資産を運用したいと考えるならば、特に営業日数の制限は気になるポイントです。民泊に利用して収入を得られるのは1年間のうち約半分程度、残りの期間はオーナー自身が住まうなど、他の居住の用に用いることになります。また、自治体によっては平日の民泊事業が禁止されている場合もあります。本来が投資目的の制度という訳ではないので当然ですが、しっかりと資産運用によって収益を得ようと考えるならば、一般的には賃貸のほうが有利です

まとめ

今回は家を貸し出すことについて、一般的な賃貸経営のことと、賃貸併用住宅という特殊な住宅で賃貸経営をすることについて解説しました。

賃貸を行うとして、住居がある敷地内に十分な空間があって賃貸併用住宅にもできるような場合、自宅部分を残して一部を賃貸部分に変える改築を行うべきなのか、丸ごと賃貸物件としての運用を考えるべきなのかは、それぞれの不動産オーナーが置かれている状況によって異なります。そもそも、オーナーやその家族がその家に住み続けたいかどうかや、今の住居の広さが無駄になっていないか、近隣などの別の住居に住み換えることが問題ないかといったことが最も重要なことです。

これだけでもどうするべきかが決まってしまうかも知れませんが、どうするか悩む場面、検討するような場面で気にしなければならないこともあります。特に、賃貸運営による収入に期待する場合、その地域や立地で、入居者の需要がどれくらいあるかは、住居の広さによっても変わることで、とても重要です。広ければ十分に人気の物件として期待があったものを、半端なサイズに切り取ってしまったことで地域の用途にそぐわなくなるという可能性も想定されます。市場での需要や、実際にいくらくらいでなら貸し出せそうかといったことは、リロケーション会社など、賃貸管理を取り扱っている会社に聞くとよいでしょう。無料で賃料査定が受けられるケースも多く、まずは相談してみることをおすすめします。

1つの敷地の中で、住所を変えずに賃貸経営も行いたいときは、賃貸併用住宅を活用する方法があります。いくつか注意点もありますが、広さを持て余しているときや、維持費を抑えたいときの一案として検討してみるのも良いかも知れません。

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