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公開日2019年12月20日/更新日2021年3月26日

利回りって何?家を貸すときに知りたい用語解説

利回りって何?家を貸すときに知りたい用語解説

賃貸関連の書籍や解説サイトを見ていると必ず出てくる「利回り」という単語。不動産業界では基本的なものですが、賃貸経営をしたことがないという方にとっては初耳かもしれません。そこで今回は、「利回り」に関する基礎知識と、リロケーションにおける重要性の2つを解説していきます。

賃貸経営における利回りとは?

利回りは、「その物件にどれくらいの収益力があるかの指標」と言われています。より具体的に解説すると、物件購入費・建築費の合計(投資額)に対する利益の割合のことです。なお、一口に利回りといっても「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。

表面利回り

表面利回りとは、物件の収益力を捉える目安の数値であり、「単純利回り」とも呼ばれます。不動産会社が掲載している物件情報に表記される「利回り」は、一般的にこの表面利回りであるケースが大半です。

表面利周り(%) = 年間の家賃収入 ÷ 投資額 × 100

以下のような物件を例に取って考えてみましょう。

投資額 想定家賃月額 表面利回り
物件A 2,000万円 10万円 6%
物件B 5,000万円 20万円 4%

上記だけを見ると、物件Aのほうが利回りが高く、表面的な収益力の高い物件である、と評価できます。

しかし、表面利回りはその名称のとおり、あくまで表面的な数値です。たとえば建物が老朽化して修繕費がかかる場合や、空室があった場合のことは考えられていません。そのため、表面利回りだけで「賃貸すると儲かる」と結論付けるのは危険です。

実質利回り

実質利回りは、表面利回りより実際の経営効率に近い利率となるのが特徴です。表面利回りでは物件購入費・建築費の合計(投資額)だけを計算にいれていましたが、実質利回りではこれに物件購入時の諸費用や固定資産税、火災保険、管理費、修繕費といった諸経費が考慮されます。計算式は以下です。

実質利回り = (年間の家賃収入 - 諸経費) ÷ (投資額 + 諸費用) × 100

上記を見れば分かるとおり、実質利回りでは年間でかかる諸経費が家賃収入から差し引かれ、購入時にかかった諸費用が投資額に加算されます。以下の具体例を見てみましょう。

投資額 購入時諸経費 想定家賃月額 年間の諸経費(※1) 実質利回り
物件A 2,000万円 50万円 10万円 80万円 2%
物件B 5,000万円 100万円 20万円 50万円 3.7%

表面利回りでは“収益力が高い”と評価された物件Aですが、年間の諸経費などを踏まえると収益性は低く、実質利回りは2%まで落ち込んでしまいました。一方で物件Bは、初期投資費用は高いものの、家賃が高く諸経費が安いことで物件Aよりも優れた実質利回りを出しています。

このように、表面利回りと実質利回りでは、大きな差が開くケースも少なくありません。賃貸経営の際には、できる限り実質利回りを重視しましょう。

※年間の諸経費には、管理費や修繕積立金、固定資産税や仲介手数料が計上されています

リロケーションの場合は利回りが重要ではない?

転勤に伴い、自宅を賃貸するといった場合に用いられるリロケーションでも、利回りなどの計算は今後の参考になります。自宅が年間でどれくらいの収益を挙げられるのかを、事前に確認しておきましょう。

ただし、計算の結果、利回りが低い、もしくはマイナスになるからといって、リロケーションを避けるべきかと言えば、必ずしもそうとは言い切れません。賃貸経営の中でも、リロケーションが利益最大化を最優先に用いられることは通常ありません。もちろん賃貸経営には違いありませんので、家賃収入をできるだけ得られるようにすることはとても重要視されますが、もともと転勤中の持ち家をどうすれば無駄を抑えて守ることができるかという課題の解決を主な目的として生まれたサービスです。そのため特徴として、単純な収入や利回りといった計算には含まれていない、転勤中も安心して賃貸経営を続けていくためのリスク軽減や手間の回避といったことにサービスとしての重点がおかれています。賃料査定を行った結果、リロケーションによって、計算上十分な利回りが生み出せそうになかったとしても、リスクや手間が小さい賃貸経営で転勤中の住居費の一部を補填できれば、その分生活の負担は軽くできます。

他にも、リロケーションには利回りだけでは測れない、以下のようなメリットがあります。

建物の劣化スピードを遅くできる

長期間使用・管理されていない建物は、劣化のスピードが急激に早くなります。そのまま放置するのではなく、リロケーションで賃貸すれば入居者によるある程度の管理が期待できるため、劣化の進行を抑えられます。結果として、資産的価値の維持にもつながるのです

犯罪リスクを軽減できる

空き家の放置は不法投棄や不法侵入、放火といった犯罪リスクを招きます。一方、賃貸でも入居者がいれば、犯罪者から目を付けられる確率を低減できるでしょう

明け渡しトラブルを避けられる

一般の賃貸物件では、普通借家契約が用いられています。しかし、一時的に家を貸す場合は、明け渡しのトラブルが発生することも。リロケーションでは一時使用賃貸借契約定期借家契約などが用いられるケースが多く、期間満了時にはスムーズに自宅へと戻れます

まとめ

リロケーションを検討する際には、利回りの算出を行い、自宅にどれくらいの収益力があるのかを確認しましょう。ただし、数値を見ただけでは判断が難しい場合もあります。こうした場合は、リロケーション会社のスタッフにアドバイスを求めるのも大切です。正しい計算法などについても助言をもらえるので、まずは一度気軽に相談してみましょう。

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