転勤、介護、相続などによって持ち家やマンションを賃貸しようとお考えの方にとって、家賃収入がいくらくらいになるかは非常に気になるポイントです。
賃料査定とは、様々な資料から算出された目安でありその額で貸せることを保証するものではありません。家を貸そうか迷っている中、判断材料の一つになるのが「賃料査定」です。
無料でしかも手軽にできるので家を貸そうかと思っている方は、一度利用してみてはいかがでしょうか。
賃料査定には大きく分けて簡易査定と詳細査定の2つの種類があります。以下で、それぞれの特徴についてご紹介します。
不動産仲介会社の査定担当者による訪問は行われず、過去の実績や周辺の相場から算出する査定方法です。物件に関する情報のみで賃料が査定されるため机上査定とも言われます。なお、状況に応じて物件の写真や登記簿謄本の提出が求められる場合があります。
簡易査定は電話やメールのみで完結することも多く
依頼から査定額提示までの期間も比較的短いので、気軽に利用してみましょう。
詳細査定は、不動産仲介会社の査定担当者が現地に赴き、物件を目視で確認したり、設備や方角など周辺環境を調査した上で賃料が算出される査定方法で訪問査定とも呼ばれます。
詳細査定では、精度の高い賃料査定が行われるので簡易査定よりも実際の賃料に近い査定額が出されます。
査定の精度を上げるため簡易査定の情報に加えて、建築設計図や重要事項説明書、契約書といった書類の提出が求められる場合があります。
詳細査定といっても、必ずしもその査定額で貸し出す必要はなく、あくまでも参考として捉えて構いません。又、立ち会いが必要なので日程調整が必要です。
理想の賃料に近付ける相談もできるので、賃貸に前向きであれば活用してみましょう。
賃料査定時に用意するもの
簡易査定:登記簿や物件の図面などが求められます。
詳細査定:登記簿や購入時の重要事項説明書、建築関係書類
これ以外に契約書、管理費・修繕積立金の記載された書類、リフォームしていれば報告書などがあります。不動産屋により異なるので賃料査定を依頼する会社に確認しましょう。
査定額とは、簡易査定や詳細査定を経て実際の賃料に近しい、或いは決まりやすい目安の金額を出すことです。但し、賃貸借契約の方法により査定額に差が出ることもあります。
ここでは、それぞれの契約方法を3種類説明します。
賃料査定で算出される一般的な契約種別です。主に2年契約で設定され、契約期間中の解約は可能ですが、入居者が契約更新を希望すれば、基本的に更新しないといけないので、長期で貸したい方向けの契約です。
長期間貸せるのであれば、この契約がおすすめになります。
物件を貸す期限が決められた契約方法です。契約終了時には契約は終了し物件を明け渡す契約方法なので延長することはできませんが、再契約は可能です。
普通借家契約との違いは、貸主の都合で決められた期間で契約を終了できることです。期間が決まっているので、転勤中にだけ貸したいという方におすすめですが、注意点としては期間が限定されている分、普通借家契約に比べ相場は安くなります。メリットは契約期間が終了したら更新する必要がなく、必ず自宅が明け渡されることです。
前述したように実際に得られる賃料と、事前に算出される査定額は必ずしも一致しません。
また、入居者から支払われる賃料と、貸主となるオーナーが得られる収入も同様です。これは、利用する賃貸管理サービスによって手数料が異なることが理由になります。
特に「借り上げ」や「サブリース」とも呼ばれる中で、空室期間中について「家賃保証」がついているサービスは、賃料を保証するために手数料が高額化するため、入居者の支払い額のうち、オーナーの手元に残る収益が小さくなります。仮に査定額が一定でも、利用する契約(サービス内容)によって、手数料の違いなどから実際の収入に差が出る点には注意が必要です。
次に、不動産仲介会社が賃料査定を行う際に、どのようなポイントに注目するのかをご紹介します。以下は、ほとんどの会社に共通する項目例です。
賃貸する家と似た条件(間取りや築年数、立地など)の物件が、現在いくらの家賃で貸し出されているかを調査します。なお、参照するのは不動産情報サイトや、不動産会社共通のデータベースである「レインズ」などです。
現在募集中のものだけでなく、入居中の物件なども確認しながら、現実的なラインを探っていきます。
アナログな作業となるため手間もかかりますが、時間をかけてていねいに調査が行われます。
類似物件調査でピックアップした物件を参考に、平均賃料や坪単価を算出。それを基に、調査物件の面積等を掛け合わせていきます。
なお、当然ではありますが設備や立地などに違いがあるので、その点を考慮し賃料の加点・減点要素を洗い出す作業も行います。
前項までの算出結果に、査定担当者の経験に基づいた加点・減点を行います。たとえば「この地域はファミリー層に人気だから、広いバスルームがあると入居者が決まりやすかった」といった経験則です。ただし、この調整幅は査定担当者の主観が入るため、必ずしも一定ではありません。
これまで、どれだけの不動産仲介を行ってきたかが重要になります。
賃料査定は1社だけではなく、複数社に依頼しましょう。複数社に聞くことで不動産会社ごとの比較ができたり、理想に近い査定を出す会社と巡りあえるかもしれません。個人差があるので〇社がベスト!とは言い切れませんが時間に余裕があれば多くの不動産会社に聞くことがおすすめです。
次に複数に賃料査定することのメリット、デメリットを説明します。
・メリット①:不動産会社ごとの比較ができ、理想に近い不動産会社を選ぶことができる。
・メリット②:複数の不動産会社から話を聞くことで知識が身に付き、不動産会社の判断に対して、自身でも客観的な評価が行える。
・メリット③:不動産会社の言っている事が正しいか、他社にも確認できるので信頼できる不動産会社か判断できる。
・デメリット①:時間を取られる。例えば3社に査定依頼をするなら3社と話をするため、その分時間を取られてしまう。又営業電話が増え対応に苦慮することにもなる
・デメリット②:それぞれの査定内容や話の中身を忘れたり、A社とB社の内容を混同する
・デメリット③:迷って答えが出なくなる。判断材料が増えてしまい、決断が難しくなる。
査定はその金額で貸せる目安であり保証するものではないため、査定額が高いからと決めるのは危険です。大事なのは本当にその額で貸せるかです。
そのためには実績や経験、信頼性、担当者のスキルなどが必要になります。
会社、担当者、ケースによって、あえて慎重な価格で査定をする場合もあります。査定額を募集時の賃料に設定したときに、どれくらい空室が続いてしまう恐れがあるのか、どれくらいで設定を見直す想定をしているのか、そうした意図も含めて理解することで、提示された査定額の妥当性を考えることができます。
不動産会社や担当者が、算出した査定額を高めと見ているか、安めと見ているか、理解することが肝心です。提案の説得力や実績を踏まえて、信頼できる会社を選びましょう。
不動産会社の規模や実績の大きさは、担当者のスキルやサービスの信頼性を計る指標の一つになると考えられます。
必ずしも「大きい会社のスキルやサービスが優れている・合っている」とは言えませんが、長くやってきた会社、多くの案件を取り扱ってきた会社であれば、営業担当の教育やサポート体制等のサービスにも培ってきた経験が活かされており、質において一定水準が保たれている期待を持てるでしょう。
営業活動をするにあたり、一般的な営業網に加え独自のネットワークがあるかでも提案のボリュームに差が出ます。
独自のルートがあることで、早期に納得いく賃料が決まるでしょう。担当者からの提案、会社の規模や不動産会社の特徴を生かした他にはないような営業ルートがあれば、その分お客様の数が多いので、事例を用いて説明してくれることを期待できます。
難しいことが多い業界なので丁寧に説明してくれるか、又、電話やメールなどの返信も含め迅速な対応、色々な提案などを積極的にしてくれるか、こちらの意見を聞いてくれるかなどはとても重要です。
査定時には面積や築年数だけではなく、交通の便などの周辺環境も参考とする場合があります。
提示した査定額はどういう要素を元に調整された額なのか、説得力のある説明がなされているかがポイントです。
不動産会社にも得意、不得意があります。
賃貸より売却の実績が多いと、ノウハウも少なく期待は小さくなるでしょう。インターネットや問い合わせで特徴を調べて、どちらにどれくらいの強みがあるのか確認することをおすすめします。
賃料査定は多くの場合、不動産仲介会社が無料で行ってくれます。賃貸するかどうかの大きな判断材料になりますので、ぜひ活用してみましょう。
なお、転勤に際してご自宅を賃貸したいのであれば、当社のリロケーションサービスが非常におすすめです。「いつか戻ってくる家を一時的に貸し出す」という側面があるため、一般の賃貸物件とは異なる考え方が査定担当者には求められます。
当社では転勤をはじめ、さまざまな事情でマイホームを初めて貸そうとする方でも安心のサポートを行っています。もちろん、賃料査定についても承りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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