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「リロの留守宅管理」リロケーション基礎知識 vol.106

持ち家は貸す?売る?転勤時に考えたい賃貸と売却の違い

転勤時には持ち家を売却すべきか、それとも賃貸すべきか……最適な答えは人それぞれ異なります。ご自身にとって何が正しい選択なのかを判断するために、今回は賃貸と売却の違いについて解説いたします。

転勤時における持ち家の問題

転勤に際して、悩みの種になりがちなのが「持ち家の問題」です。単身赴任となれば、そのまま家族が暮らすことになるため状況としてはシンプルでしょう。一方、家族帯同で転勤先へと向かう場合は、持ち家が留守宅状態になってしまいます。

この際に持ち家に対して採る選択肢としては、売却と賃貸、空き家管理などが挙げられます。転勤の期間がそれほど長くない場合など、定期巡回などの空き家管理のみを企業に委託する方もいますが、より長期の転勤であれば、資産を積極的に活用しようと、売却と賃貸で迷う方が多くみられます。転勤の際は、持ち家を売るべきか? それとも貸すべきか? どのように判断すればよいのでしょう。

売却と賃貸の場合の収入と支出の比較

売却の場合も、賃貸の場合も、実際の収支を決める条件は多岐に渡るため、あくまでも一例としてですが、ここではひとまず、新宿など都内の主要駅まで30分以内程度のエリア、築5年、3LDKの一戸建て住宅で、駅からは徒歩で10分程度というような条件を想定した場合について、売却と賃貸で、一般的にどのような収益と支出があり、それぞれがどれくらいの規模の額となるのか、おおよそのイメージから違いを見比べてみましょう。

(イメージをとらえやすくするために数字を用いておりますが、あくまでも一例です。実際にかかる費用やかからない費用についてもケースによって異なります。持ち家について実際の査定額をお調べしたい方はお気軽にお問い合わせください。賃料査定・売却査定どちらも承ります)

売却の場合

不動産を失い、代わりにまとまった現金の資産を得る

【収入】
売却収入 3,500万円

【支出】
仲介手数料 120万円
印紙代 1万円
抵当権抹消登記費用 2万円

【売却によって手元に残るもの】
現金(収入―支出)
3,500万円-(120万円+1万円+2万円)
=3377万円
(不動産は手放すため手元には残らない)

売却(譲渡)時の価格が、購入(取得)時の価格(減価償却費相当額は控除)に、そのほか取得のための費用と、譲渡のための費用を足し合わせた金額よりも大きいときには、差額が譲渡所得とみなされ、譲渡所得税と言う税金を納税しなければなりません。このように、状況によっては支出となるもの、ならないものが他にもあります。前述の抵当権抹消登記費用も、抵当権が発生していなかった場合や、既に抹消を行っている場合であれば、売却時に発生する支出とはなりません。

売却時には、まとまった現金収入とそれに伴う大きめの支出が発生します。諸手続きといった細かな手間についても、今後の不動産管理・賃貸管理の手間から解放される分、売却活動の期間にはまとめて行うことが多めになります。

賃貸の場合

不動産(持ち家)が資産価値を消耗していく中で、代わりに少しずつ現金の資産を得ていく

【収入】
家賃収入 月 12万円
年 12万円×12か月=144万円
10年 144万円×10年間=1440万円
(仮に10年後のタイミングで売却を行えば、加えてその時の価格で売却収入が得られることになります)

【支出】
リフォーム・メンテナンスなどの費用 10年でおよそ 200万円
賃貸管理や賃貸仲介委託の手数料等 10年でおよそ 200万円
火災保険料 10年 21万円
固定資産税・土地計画税 年 13万円
10年 13万円×10年間=130万円
所得税 年 73万円
10年 73万円×10年間=730万円

【賃貸(10年間)によって手元に残るもの】
現金(収入―支出)
1440万円-(200万円+200万円+21万円+130万円+730万円)
=159万円
運用や売却が可能な資産としての不動産

戸建ではなくマンションであれば、支出として管理費・修繕積立金といった費用もランニングコストとしてかかります。手数料は賃貸仲介、賃貸管理といったことを、どういった業者にどこまで任せるかによって費用が異なります。リフォームやメンテナンスといったことも、申し込んでいる賃貸管理サービスの中に保証として含まれていれば、一部負担が軽減されるようなことがあることや、築年数など住居の状態によっても大きく費用が変わってきます。

賃貸では、収入も支出も、毎月、毎年、継続的に発生します。賃貸契約の内容によりタイミングなどの制限が残るものの、不動産を所有物として残した状態で行うのが賃貸経営なので、住居としての利用や売却といった用途を将来の可能性として残すことができます。

持ち家を売るメリットとデメリット

持ち家問題を考えるために、まずは先述した収支の概要も踏まえ、売却についてメリットとデメリットを見ていきましょう。

もしも売却額が取得額を上回った場合、その差額は売却益となります。つまり、不動産を安く買って高く売ったことになるので、その分の利益を得られるということです。

しかし、住居も「物」です。たとえ大事にしていても、経年劣化や使用による損耗が必ず起こります。売却額が取得額を上回るとは限りません。一度購入したものを再販したとき、当初の額と再販時の額の関係を表す指標には、リセールバリュー(再販価格、価格維持率)と呼ばれる指標があり、この指標は不動産についてもしばしば用いられることがあります。リセールバリューの調査結果の中には、民間企業によって行われ、広くインターネットなどで公表されている情報もありますが、そうした調査結果から見ても、むしろ売却額は取得額を下回る(価格維持率が100%を割る)ことは、(少なくとも近年の国内に関して言えば)どうやら一般的なようです。ですが、売却額が取得額を下回ったからと言って、そのことで全面的に損をしているとも言い切れません。しっかりと損得を見比べる上で、特に大きな要素となるのが、固定資産税や管理費などのランニングコストです。不動産を手放すことで、所有しているだけでも発生し続ける保持・維持のための費用を払わなくてよくなる点は、それらを支払うのに見合うだけの活用ができていない不動産であるならば、売却を行うメリットと捉えられるでしょう。

また、今後において、劣化や損耗といった物件そのものの変質による影響だけでなく、日本全体の人口減少のような想定されている環境の変化によっても、地域によっては不動産価格の下落がリスクとして考えられます。そうした懸念がある場合、価格が下がる前に売却してしまうことで、不動産をまずは現金資産に換えておき、投資可能な(機を見て資産の形をより価値の安定が見込まれるほかのものにも変えられる)状態で保持するということは、ひとつの選択肢になり得るものと思われます。ただし、所有している不動産自体に、将来的な転用・活用といった可能性も残されている場合だと、現金化してしまうことで、この機会を失ってしまうリスクも当然あります。このことは持ち家を売った場合のデメリットとも言えることで、売却を検討する中で注意が必要なことです。

なお、仲介の場合は買主が見つからない可能性も考えなくてはなりません。転勤準備で忙しい時期に売却活動を行うのは、手間にもなるでしょう。不動産会社に直接住まいを買い取ってもらうという方法もありますが、その場合は売却額が低くなってしまいます。

転勤中に物件を売却するメリット・デメリット

<メリット>
・物件と時機によっては売却額が取得額を上回ることもあり、差額は利益となる
・不動産を所有することによるランニングコストを支払う必要がなくなる
・転勤中の間にも持ち家の価格が下がると見込まれている場合、資産をまとめて現金化しておくことで、資産の総合的な価値が下がるリスクを軽減することができ、その後は、より価値が高いと見込まれている別の投資先にその現金を当てることもできる(転勤から戻ってきた際に別の住居を購入するための資金とする用途も含む)。

<デメリット>
・物件とタイミングによっては売却額が取得額を下回るので、その差額は損失となる
・転勤中・帰任以降において、その不動産を所有していることで可能となる転用・活用(賃貸運用・将来の家族での利用・別のタイミングでの売却など)の機会を失ってしまう

持ち家を貸すメリットとデメリット

次に、賃貸についてメリットとデメリットを考えていきます。

もっとも大きなポイントは、家賃収入が得られるという点です。ローン返済額と固定資産税、修繕積立金、それらのランニングコストを上回る収入が得られれば、賃貸経営による利益が得られることになります。すでにローンを完済していれば、多くの場合で利益が得られるでしょう。

賃貸収入は不動産所得として計算される収入の一種であるため、所得税の課税対象になります。賃貸経営を行う場合には、この所得税もランニングコストの一つとして加わります。ちなみに、確定申告の際には、マンションの管理費や修繕積立金、ローンの利息、管理会社へ支払う管理委託手数料や仲介手数料など、経費計上できる項目も多数あります。経費についてしっかりと確定申告を行うことで、所得と見なされる範囲が限定され、節税することができます。

転勤中に賃貸経営を行う場合、売却とは異なり、不動産を自身の所有物として残すことになります。資産の維持・管理そのものに手間がかかることや、賃貸経営を行うことによる手間が発生する場合もあります。契約内容次第では、せっかく家を手放していなくても、帰任時にスムーズに自分の持ち家へは戻れないということも考えられます。これらは確かに賃貸を選択した場合のデメリットですが、こうした問題は、あくまでご自身による自主管理を行う場合や、普通借家契約に関わるものです。後述するリロケーションサービスを用いることで、多くの問題は解決できます。

転勤中に賃貸を行うメリットとして、まず家賃収入から生じるであろう利益を挙げましたが、物件を手放さないことで、賃貸で物件を人に貸し出す以外にも、のちに自身や家族が住む家として用いることを選択肢として残すことができるということも、賃貸を選択した場合のメリットとして挙げられます。

また、売却を選択するメリットの説明の中で、リセールバリューと言われるような再販価格は下がる傾向にあるという考えが一般的なようだとお伝えしましたが、経過している築年数によっては、その後の下落のカーブが緩やかな場合があることや、エリアによっては、物件の損耗・劣化のペース以上に価値が上がるということもあり得るため、そうした場合には急いで売却してしまうより、価値の維持が期待できているうちは、賃貸経営で賃料収入を得て、機を改めて売却を検討した方が利益は大きくなるという考え方もあります。

転勤中に賃貸運営を行うメリット・デメリット

<メリット>
・ランニングコスト次第だが、家賃収入から利益が得られる
・自分が住む、家族や親族が住む、といった用途に再び利用できる可能性を残すことができる
・転勤期間中に売ろうとしなかったからと言って、将来売却できなくなるわけではなく、物件によっては、価値の下がり方が緩やかであることや、あるいは今後価値が上がるようなこともあるので、そうした場合も想定し、より良い売却の機会をうかがいながら現金収入を得ていくことができる。

<デメリット>
・方法により程度は異なるが、管理には多少なり手間がかかる
・不動産を自分のものとして残したからと言って、貸し出してしまうことで、必ずしも自分の思い通りのタイミングで自由に利用できるとは限らない

転勤時の賃貸と売却、結局どっちがいい?

不動産の活用方法としては、賃貸も売却も非常に有効な手段です。どちらを選ぶべきか、最終的には所有者の状況判断次第といえるでしょう。

たとえば、転勤先での暮らしが長期になる、もしくは帰任の予定が見えないという場合は、新たな勤務地の近くに住み替えてしまうケースも考えられます。この場合は、現居の売却代金を住み替え先の購入費に充てたいこともあるかと思いますので、売却が有力な選択肢として挙がるかも知れません。

一方、「いつかは元の自宅に戻りたい」と強く考えている場合には、売却ではなく賃貸を選択する必要があります。家賃収入で転勤先での住居費や自宅にかかるランニングコストを補填することで、転勤中の負担を軽減することができます。また、住んでいる人がいることで、住まいの劣化を防げるという考え方もあります。

転勤時に持ち家を賃貸するならリロケーションが最適

持ち家を賃貸すると決めた場合は、次にその方法を検討する必要があります。不動産管理会社に管理委託をしたり、手間はかかりますがご自身で自主管理にチャレンジしたりなど、いくつかの手法があります。その中でもおすすめしたいのがリロケーションです。

リロケーションは、転勤の際に留守宅となる持ち家を賃貸に出すサービスのことです。転勤期間中はリロケーション会社が賃貸管理を行うため、オーナー様のご負担も自主管理に比べると大幅に減らすことができます。賃貸中の持ち家のことをしっかり任せられます。

また、一時使用賃貸借契約、もしくは定期賃貸借契約という契約形式を用いていることで、帰任時にはスムーズに自宅へと帰ってこられる点が、このサービスの便利な特徴として挙げられます。

まとめ

転勤時に持ち家をどのように扱うかは、いつ売却して手放すかとも言い換えられます。そうした中で転勤を機に売却を行うか、賃貸経営に活用するかは、その物件の将来の用途や価値にどれほどの期待を持っているかが重要です。帰任の予定があって自宅に戻りたいという希望を持っているのであれば、売却は選択肢から外れ、転勤の間も物件を有効活用したいのであれば、賃貸経営を選ぶのが最適でしょう。かつ、転勤というシチュエーションのために作られたリロケーションサービスを活用すれば、賃貸のメリットを享受しつつ、最終的にはスムーズに家に戻ることができます。転勤のご予定がある方で持ち家をどうするかについてお悩みの方はリロケーションを検討してみてはいかがでしょうか。