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公開日2022年11月25日

転勤が決まったら、持ち家をどうする?メリット・デメリットを解説した5つの方法をご紹介

転勤が決まったら、持ち家をどうする?メリット・デメリットを解説した5つの方法をご紹介

マンションや戸建てを持っているのに転勤が決まってしまった場合、持ち家をどのようにするか悩ましいところです。売却したくはないけれど、入居者にどう使われるか分からないので貸したくはない。空き家となってしまう持ち家を管理するにはどんな方法があるのか。転勤時の持ち家はどうするべきか、自分でできることから業者に頼むことまで、今回は次の5つの方法をご紹介します。

単身赴任で家族が住む

家族帯同で転勤する場合、自分自身だけでなく、パートナーや子供の都合も調整が必要です。また、持ち家がある場合は、転勤中の管理や住宅ローンについても考えなければなりません。転勤期間が短い場合や家族とともに引っ越すことが難しい場合は、単身赴任という選択肢があります。ここでは、単身赴任のメリット・デメリットをご紹介します。

単身赴任のメリット

家族が住み慣れた家で生活できる

単身赴任の場合の最も大きなメリットの1つは、家族がこれまでの生活を続けることができ、家族の負担を減らせることです。パートナーの仕事の調整や、環境の変化による子供への影響などを心配する必要はありません。また、単身赴任している間は引き続き家族が家に住み続けるため、転勤中の家の維持管理を誰かに頼む必要もありません。

住宅ローン控除が受けられる

住宅ローン控除は、ローンを利用している本人が住むことができない場合でも、「生計を一にする親族」が住んでいれば、引き続き控除を受けられます。ただし、控除を受けることができるのは、国内での所得に対してのみです。海外赴任の場合、給与の多くは国外での所得の扱いとなり、控除をする所得が発生しない場合もあります。また、海外赴任の場合にこの制度が適用できるのは、平成28年4月1日以降に取得した家に限られます。

海外赴任する際の住宅ローン控除の詳細については、下記の記事をご確認ください。

関連記事「海外赴任の際、「住宅ローン控除」はどうなる?

単身赴任のデメリット

家族が離れて生活することになる

単身赴任の場合は、家族と離れて生活することになります。多くの場合は頻繁に帰ることができる距離ではなく、年末年始などの長期休暇に帰省することとなり、単身赴任をする前までよりも家族と過ごす時間が少なくなります。また、単身赴任中は離れて生活するため、子どもの成長をそばで見守ることができません。

生活費がかさむ

生活拠点が2つになるため、単身赴任をする前よりも生活費が多くかかることは、悩ましいデメリットです。たとえば光熱費などは単身赴任先と持ち家のそれぞれで基本料金がかかるため、割高になりがちです。社宅や住宅補助などの福利厚生があれば、利用することで負担を軽減することができます。

両親や兄弟に維持・管理を依頼

両親や兄弟姉妹が近くに住んでいる場合は、維持・管理を頼んでしまうのが手っ取り早い方法でしょう。親族であれば身元が分かっているため、鍵を預けることに抵抗が少なく、頼みやすいことから、知らない人は家に入ってほしくないという人におすすめです。

親族に維持管理を依頼するメリット

自宅に他人が出入りすることがない

親族に任せることができれば、知らない人が出入りすることはありません。「海外赴任などで持っていける荷物が限られている」「一時帰省のときのために、そのまま使えるようにしておきたい」などの理由で、ある程度の家具や荷物を自宅に置いていきたい場合、そこに知らない人が出入りするのに抵抗を感じるでしょう。その場合は、親族や知人に依頼できないか検討してみましょう。

いつでもすぐに自宅を使うことができる

定期的に維持管理を行ってもらうとき以外は空き家の状態であるため、一時的に帰省したい場合にすぐに自宅をつかうことができることもメリットの1つです。親族であれば連絡も取りやすく、帰省する日程の調整なども行いやすいでしょう。

費用や管理内容について調整がしやすい

親族に任せる場合は、管理を依頼する箇所やかかる費用について、細かな相談をしやすいというメリットがあります。空き家管理サービスを利用する場合は、あらかじめサービスの内容が決められていることがほとんどですが、親族に任せる場合はこのような基準となるものがないため、管理が必要な範囲を相談して決めることができます。

親族に維持管理を依頼するデメリット

受けてくれるかは相手次第

いくら親族とはいえ、それぞれ予定や都合があるので、空き家管理を引き受けてくれるかは相手の都合によります。また、当初は快く引き受けてもらえた場合でも、相手が引越しをしてしまうなど、環境や状況の変化によって管理が難しくなることも考えられます。

素人管理となる

空き家の管理の経験がある人は少ないでしょう。どのような手順でどこを管理してもらうかについては、話し合って決めていく必要があります。管理について1から決められることは、メリットでもデメリットでもあります。また、建具や設備の取り扱いなど、注意点もあらかじめ伝えておきましょう。

住宅ローン控除は受けられない

本人の居住が適用条件となるため、空き家となっている間は住宅ローン控除の適用を受けることができませんただし、再び住み始めたときに適用可能期間が残っていれば、再適用が可能です。事前の手続きが必要ですので、再適用の予定がある場合は赴任前に手続きを行いましょう。

住宅ローン控除の再適用については、下記の記事をご確認ください。

関連記事「海外赴任後の住宅ローン控除の再適用

専門の空き家管理サービス会社に依頼

持ち家は空き家のまま放置すると劣化が早まります。近所に両親や兄弟がいない場合は、専門の空き家管理サービスに空き家の管理を依頼するのも方法の一つです。費用は掛かりますが、プロのメンテナンスによって空き家を維持管理していくことができます。

空き家管理サービスのメリット

プロのメンテナンスを受けられる

空き家管理サービス会社が持っている実績ノウハウを活かした、メンテナンスサービスを受けられます。空き家を傷まないようにするために必要な作業を行ってもらうことができ、確実に家を維持管理できます。

いつでもすぐに自宅を使うことができる

親族に空き家を管理してもらう場合同様、定期的な管理サービスのタイミング以外は空き家の状態であるため、すぐに自宅をつかうことができるというメリットがあります。帰省する場合などは、管理会社に連絡することで、一時的なサービス停止が可能です。

空き家管理サービスのデメリット

費用がかかる

毎月の空き家管理費用が発生します。また、持ち家にかかる固定資産税や住宅ローンの支払いも継続します。転勤先での家賃の支払いもあり、住居費の負担はますます大きくなってしまうのです。

住宅ローン控除が受けられない

親族に空き家を管理してもらう場合同様、本人の居住が適用条件となるため、空き家となっている間は住宅ローン控除の適用を受けることができませんが、再び居住する際に控除期間が残っていれば、再適用が可能です。

4.転勤期間のみ賃貸物件として貸し出す

賃貸に出すメリットは、賃料収入を得ながら、持ち家の維持管理も入居者にやってもらえることです。賃料収入もあるため、家を手放さない選択肢の中では経済的な収益は一番大きいと考えられます。

持ち家を貸し出すメリット

賃料収入が得られる

最も大きなメリットの一つとして、賃料収入が得られることがあります。自分が住んでいなくとも、持ち家に対する固定資産税や都市計画税はかかり続けます。賃料収入は持ち家にかかる費用の補填、さらには転勤中の生活費の足しにできるかもしれません。

建物の維持管理をしてもらえる

入居者が家を使うことで、建物の維持管理がなされます。空き家の管理に必要な通水や換気、清掃などは日常的に行われ、設備などの経年劣化による故障も入居者に気づいてもらうことができ、早期対応できます。

賃貸終了後にまた住むことができる

賃貸期間が終了して入居者が退去した後は、再び住むことができます。ただし、再度自分が使うことを予定している場合、契約の方法には注意が必要です。一般的に用いられる「普通借家契約」で契約してしまうと、賃貸人からの解約が難しくなります。期間を限定して貸し出す「定期借家契約」または転勤者向けに最適な「一時使用賃貸借契約」を利用しましょう。

関連記事「普借家契約は帰任時にトラブルが起こりやすい?更新に必要な正当事由とは?

持ち家を貸し出すデメリット

他人が家を使う

家を貸し出すということは、他人が家を使うということです。入居者が持ち主と同じ感覚で家を扱ってくれるとは限りません。こだわりや愛着のある家の場合は、ちょっとしたへこみや傷でも気になるかもしれません。しかし、自分で住んでいる場合でも、経年劣化による傷みは発生します。ある程度の築年数が経過している場合は、再入居前にリフォームをすることを検討してもよいでしょう。

賃貸中の売却が難しい

賃貸中に持ち家を売却する場合、売却のために賃貸の契約を解除することは難しく、入居者がいる状態で購入者を募集する「オーナーチェンジ」または不動産会社による「不動産買取」での対応となります。通常の売却よりも市場が狭まるため、購入希望者を見つけることが難しく、売却を検討する場合はデメリットになります。

賃貸中は家を使うことができない

賃貸中は入居者が使用するため、たとえ持ち主であっても家を使うことはできません。勝手に敷地内や室内に立ち入った場合、不法侵入となる可能性もあります。管理会社を利用して賃貸に出している場合は、原則として管理会社を通して、入居者とのやり取りを行います。

持ち家を貸すときの注意点

住宅ローン利用中は金融機関に確認を

住宅ローンは自分が住むための家を購入するためのローンであり、原則として住宅ローンを利用している家を賃貸に出すことは禁止されています。しかし、転勤などのやむを得ない事情の場合は、住宅ローンを継続したまま貸し出せることもあります。ただし、金融機関に黙って賃貸に出すと、一括返済を請求される等のペナルティを受けることもあるので、必ず事前に金融機関に相談するようにしましょう。

転勤時に限定された便利な契約方法

転勤者に寄り添った、特別な契約方法をご存知でしょうか。一時的な使用を目的とした契約を締結できる「一時使用賃貸借契約」というものがあります。一時的な使用を目的として家を貸し出し、その目的が果たされたときに契約終了です。転勤の場合は、帰任時期に合わせて契約を終了できます。

関連記事「一時使用賃貸借契約とは?リロケーションで使われる転勤者におすすめの契約方法

売却

売却

売却して家を手放すため、その後の管理や費用がかからなくなります。転勤期間が長期にわたる場合や、人気立地にある築20年未満の場合は、売却してしまった方が費用面においてもお得な場合があります。

持ち家を売却するメリット

まとまった現金を得ることができる

持ち家を売却すると、まとまった現金を手に入れることができます。人気のエリアや物件では、住宅ローンの残債よりも高い価格で売却することができ、利益を得られる場合があります。住宅ローン返済後に残ったお金は、転勤時の引っ越し費用や転勤先での生活費に充てることが可能です。

固定資産税などの費用や管理の手間がかからなくなる

家の維持管理費用として、固定資産税や都市計画税などの税金、マンションであれば修繕積立金や管理費などがあります。これらは所有しているだけでもかかる費用です。売却することによってこれらの費用がかからなくなります。

持ち家を売却するデメリット

一度売却して手放した家を買い戻すことは難しい

購入者が見つかれば売却して家を手放すのは簡単ですが、同じ不動産は1つとしてなく、買い戻すことは難しくなります。もし、「転勤が終わるタイミングは見えないけれどいつかはまた住みたい」と考えている場合は、帰任を理由に解約可能な「一時使用賃貸借契約」を用いた賃貸も検討してみてはいかがでしょうか。

売却金額によっては、購入時との差額で損失が発生する

売却時の金額が住宅ローンの残高を下回ってしまった場合、購入時との差額で損失が発生します。売却の際は抵当権を抹消しなければならないため、住宅ローンを全額返済しなければなりません。売却金額で足りない金額は、自己資金を用意する必要があります。

転勤が決まり持ち家を貸すべきか迷ったときのポイント

転勤が決まった際、次の5つのポイントを確認し、持ち家をどうするべきか検討しましょう。

転勤期間

転勤期間が数年程度と短い単身赴任、または家族帯同の場合、空き家の管理や賃貸を行って持ち家を維持管理していくのがよいでしょう。転勤期間が長い場合や定まっていない場合、転勤終了後に別の場所へ再度転勤になりそうな場合は、売却を検討しても良いかもしれません。

転勤に対しての会社の補助

転勤時の手当や住宅補助、持ち家の所有者に対する借上げ制度などがある会社もあります。単身赴任の場合は、帰省のための旅費に対して補助が出る場合もあるようです。適用できるものがないか会社の規定を確認してみましょう。

家族の意向

家族の意向についても確認が必要です。共働きの場合は相手の仕事の都合もあります。また、子どもの学校が小学生以上の場合、家族帯同に伴い転校が必要となる可能性が高く、子ども自身の意向や将来の進学についても話し合っておく必要があるでしょう。

住宅ローン

住宅ローンの残債についても確認が必要です。転勤により返済が難しくなる場合は、金融機関に相談してみましょう。賃貸を行ってローン返済資金に充てようと考えている場合も、賃貸の実施について金融機関に承諾を得る必要があります。売却の場合は、一括返済をして持ち家に設定された抵当権を抹消しなければならないため、売却金額がローンの残債金額を下回ってしまった場合には、不足分を自己資金で補います。

転勤時の持ち家の管理の実績のある不動産会社に相談する

転勤時の賃貸は「リロケーション」と呼ばれ、賃貸市場の中ではそれほど多くありません。転勤中の賃貸では、期間の限定や賃貸人から解約ができるような契約方法を用いる必要があります。当社は転勤者向けの賃貸管理サービスを日本で初めて事業化し、35年以上の実績があります。ぜひ持ち家管理実績のある当社にお問い合わせください。

まとめ

転勤が決まった時、持ち家をどうするか迷ったときのポイントには、次のようなものが挙げられます。状況によって最適な選択肢は異なります。それぞれのメリット・デメリットも合わせてご確認ください。

  • 単身赴任で家族が住む
  • 両親や親戚に維持管理を依頼
  • 専門の空き家管理サービス会社に依頼
  • 転勤時のみ期間限定の賃貸物件として貸し出す
  • 売却

また、持ち家を貸すべきか迷った時は下記のポイントを検討してみてください。

  • 転勤期間
  • 転勤に対しての会社の補助
  • 家族の意向
  • 住宅ローン
  • 転勤時の持ち家の管理の実績のある不動産会社に相談する

転勤は自分だけの問題でなく、家族や将来にもかかわることです。経済面だけではなく、家族の意向や子どもの進学などを考慮し、総合的に判断しましょう。

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