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公開日2022年1月20日

「リロの留守宅管理」リロケーション基礎知識 vol.155

空き家管理は大変?空き家管理に伴う作業と放置するリスクを解説

相続で空き家を取得したり、転勤でマイホームが空き家になったりした人の中には、空き家をそのままにしておくべきか、空き家管理サービスなどを利用すべきかを悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
あるいは、空き家を利用して賃貸経営を行う可能性を探っている方もいらっしゃるかもしれません。

誰も住んでいない空き家でも、固定資産税や都市計画税などの支出が生じることや、湿気によるカビや害虫の発生によって家の劣化が進行するなど、さまざまなリスクを伴います。
そのため、空き家のままで放置することはおすすめしません。

この記事では、空き家を放置するリスクと空き家管理に必要な作業のほか、専門業者の空き家管理サービスを利用するメリット、空き家で賃貸経営を始めるメリットなどを解説します。

空き家を放置するリスク

空き家を所有している人の中には、「将来自分が使用するかもしれない」といった理由で売却せずに放置している人も多いと思います。

しかし、空き家でも固定資産税や都市計画税、経年劣化に対する修繕費、空き家の管理に伴う水道光熱費(解約している場合は発生しない)などのコストがかかります。
また、以下のようなリスクも伴います。

・税制優遇が受けられなくなる
・火災保険を適用できなくなる
・近隣住民に迷惑がかかる

やはり空き家のままの放置は避けたいところです。それぞれのリスクについて解説します。

特定空家に指定され、税制優遇が受けられなくなる

空家等対策特別措置法では、以下に該当する空き家を「特定空家」とします。(同法 第二条2

日本は少子高齢化、核家族化などの理由から空き家増加が深刻化しています。そこで2015年、空き家問題を解決へと導くための対策として「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「空家等対策特別措置法」)」が施行されました。

・そのまま放置すれば崩壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

「特定空家」に指定された場合、住宅用地の特例が適用されなくなる可能性があります。住宅用地の特例とは、固定資産税や都市計画税が以下のように軽減される特例です。

固定資産税

都市計画税

200㎡以下の部分(小規模住宅用地)

6分の1

3分の1

200㎡超の部分(一般住宅用地)

3分の1

3分の1

特定空家に指定されると、固定資産税が最大6倍になるので要注意です。

火災保険を適用できなくなる

「空き家の火災リスクは、火災保険をかけているので安心」と考えている人も多いと思います。しかし、補償対象を居住用の住宅、空き家は補償対象外とする火災保険もあるので注意が必要です。

空き家で誰も居住していない場合、火災が発生しても火災保険が適用できない可能性があります。

近隣住民に迷惑がかかる

資産価値が減少するだけでなく、近隣住民に迷惑をかけることにもなるので注意が必要です。
空き家のまま放置することによって、庭に生えている立木や雑草の繁殖、害獣の糞尿、害虫の発生、不法占拠による治安の悪化など近隣住民に迷惑がかかります。また、経年劣化に対する修繕を適切におこなっていなかった場合、外壁の落下など、建物の一部の倒壊で通行人がケガをする可能性もあるでしょう。

上記のようなトラブルが発生した場合は、損害賠償責任を負う場合もあるので注意してください。

空き家管理に必要な作業

空き家管理に必要な作業として、以下の5つが挙げられます。

・換気
空き家は人の出入りがなく空気が入れ替わることがないため、湿気がこもりやすくなります。湿気は家の劣化を進行させる要因なので、定期的に60分程度の通気をおこなうことが重要です。

・通水
水道も定期的に使わなければ、錆が生じて水道管が破裂します。破裂までいかなくても蓋の役割を果たす水「封水(ふうすい)」が蒸発して、排水口から悪臭が発生します。これらを防ぐためには定期的な通水が必要です。

・屋内外の確認
屋内外の確認では、雨漏りや外壁塗装の剥がれ、ひび割れなどが発生していないかを確認します。

・清掃や庭木の手入れ(雑草処理を含む)
清掃や庭木の手入れを怠ると、草花に害虫が住みつきやすくなり、大量発生する恐れもあります。また、庭木が隣家にはみ出し、迷惑をかける可能性もあります。トラブルの原因になるため、定期的に伐採を行ってください。

・郵便受けの整理
郵便物やチラシが溜まっていると、空き家であることがわかってしまい、空き巣被害や放火などのトラブルに巻き込まれる可能性もあるので、定期的な回収が必要です。

空き家管理代行会社を利用するメリット

居住地から離れた場所に空き家を所有している場合には、自分自身で空き家管理をおこなうことは容易ではありません。

そこで登場するのが空き家管理代行会社です。空き家管理代行会社を利用するメリットには、以下の4つが挙げられます。

・空き家管理にかかる手間を軽減できる
・不動産の資産価値を維持できる
・近隣トラブルを回避できる
・「特定空家」に指定されることを防げる

それぞれのメリットを解説します。

空き家管理にかかる手間を軽減できる

郵便受けからチラシが溢れていたり庭が手入れされていなかったりすると、一見して「空き家」とわかります。定期的に空き家を訪れて確認や手入れをおこなう必要があります。
しかし、所有している空き家が遠方にある場合、時間だけでなく交通費も必要となるため、頻繁に訪れることは容易ではありません。

管理費用を支払う必要はありますが、空き家管理を専門業者に依頼すれば手間と時間を省くことが可能です。

不動産の資産価値を維持できる

最初は定期的に自ら空き家管理をおこなっていても、空き家を訪れる頻度が少なくなる、空き家を訪れても作業が疎かになるということも珍しくありません。
管理が行き届かなくなると、虫やカビ、排水口の汚臭、雨漏りなどが発生しやすくなります。また、湿気がこもりやすくなることで、劣化が早まり、屋根や柱、梁など建物の構造上重要な部分に深刻なダメージを与える可能性もあります。

その結果、後に「空き家を活用したい」と思っても大規模な修繕が必要になることや、売ろうとしても「修繕や解体に費用を要する古家付きの土地」として安く買いたたかれることも考えられます。
専門業者に不動産の管理委託をすることで、管理がきちんとおこなわれ、資産価値の維持が期待できます。

近隣トラブルを防止できる

空き家のまま放置している場合、以下のような近隣トラブルが想定されます。
・雑草の繁殖で虫が大量発生している
・害獣の糞尿による汚臭がひどい
・ベランダが劣化で崩れかけていて危険
・瓦が道路に落ちてケガや事故を引き起こしてしまう

上記の近隣トラブルが発生しているにもかかわらず、適切な空き家管理を行わずにいると訴訟を提起される可能性があります。
また、管理が行き届いていなかったことが原因で第三者にケガをさせた場合などは、損害賠償責任を負う場合もあります。

民法第717条に
「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」
という「工作物責任」が定められています。

占有者と所有者の存在が文を難しくしていますが、占有者には、所有権を持った所有者であるかに関わらず、対象物を自分のために使うなどできている(事実上支配している)人というような意味合いがあり、「所有はしていないけれど事実上支配している人が所有者とは別にいたならば、所有者ではなくその人の責任となることがある」ためにこのような書き方となっています。所有権を持つその人が事実上支配もしていたならば、やはりその所有者が責任を負わなければならないということです。

発生したトラブルの内容によっては、数千万円の賠償金が請求される可能性もあります。しかし、専門業者に委託してきちんと管理をおこなっていれば、そのようなリスクを大幅に軽減できます。

特例の適用外になることを防げる

空き家問題を解決へと導くために空家等対策特別措置法が施行され、特定空家に指定される空き家も増えました。
特定空家に指定されると、特例の適用を受けられなくなることによって、固定資産税の負担が最大6倍となるので注意が必要です。
空家等対策特別措置法が施行されたのは、管理の行き届いていない空き家を減らすためです。そのため、空き家でもきちんと管理が行き届いている場合には、特定空家に指定されることはありません。

管理を専門業者に委託してアドバイスに基づいた適切な修繕を行っていれば、特定空家に指定される可能性は避けられます。
住宅用地の特例の適用が継続されるため、固定資産税の負担増加を防げるでしょう。

空き家で賃貸経営を始めるメリット

空き家管理代行会社を利用すれば、空き家管理にかかる手間と時間を軽減できるだけでなく、空き家を持ち続けることで生じるリスクの軽減も可能です。
固定資産税や都市計画税が発生すること、特定空家に指定されることを避けるための修繕費用がかかることを考えると、空き家を空き家のまま長年放置しておくことはあまりおすすめしません。

そこで、やはり一定額の費用がかかってしまう空き家管理とは別の解決策として考えられるのが、空き家で賃貸経営を始めるという代替案です。

まずは、空き家でおこなう賃貸経営のメリットとデメリットを把握し、その後に実施するかどうかの検討をおすすめします。
空き家で賃貸経営を始めるメリットとして、以下の3つが挙げられます。

・家賃収入が期待できる
・支出に充当できる
・人が住むことで物件が管理される

それぞれのメリットを解説していきます。

家賃収入が期待できる

ただ空き家の所有を続けていても、収入が発生することはなく、むしろ固定資産税や都市計画税、修繕費などの支出だけが発生するので、資産が減少していくことになります。
一方で、空き家で賃貸経営を始めて居住希望者が見つかれば、毎月家賃収入を受け取れます。

賃貸経営には入居者募集や入居者対応、修繕などの管理が必要ですが、いずれも賃貸管理会社に委託できる業務です。うまくいけば小さな負担で不労所得を得られるようになる点が大きなメリットといえます。

家賃収入は生活費の足しや老後の備えに回すことができ、生活の支えにもなります。

支出に充当できる

将来的に空き家を居住などで使用する予定でいるという人にとって、使うときまでの固定資産税や都市計画税、空き家管理にかかる費用、修繕費などの支出は単なる負担となってしまいます。
しかし、賃貸経営を始めた場合、そのための支出も発生しますが、より大きな家賃収入を得ることによって、利益を生み出せるチャンスが生まれます。

空き家が必要になるまで期間が長引いたとしても、その間ずっと家賃収入を得られていれば、不動産を持っていることが負担になりません。

人が住むことで物件が管理される

空き家のままにしておくと換気や水道の通水が行われず、カビ・悪臭の原因になります。目が行き届かなければ庭木が伸びすぎて害虫が発生したりすることも。気づかないうちに建物の一部が壊れて、そばを通る人にぶつかってケガをさせれば、物件の管理者として責任を問われ、損害賠償請求される場合もあります。

これらは賃貸にして誰かに住んでもらっていれば防げるものです。万一家に何かあれば、入居者から連絡が入り、すぐに修理の手配もできます。
このように入居者がいることで、不法占拠などの心配がなく、居住するための定期的にメンテナンスが行われることが期待できるため、空き家のままにしておくよりも劣化を防ぐことができるといえるでしょう。

空き家で賃貸経営を始めるデメリット

空き家で賃貸経営を始めるデメリットとして、以下の2つが挙げられます。

・初期投資が必要になる
・自分1人での賃貸経営は難しい

それぞれのデメリットを解説していきます。

初期投資が必要になる

空き家で賃貸経営を行う場合と、空き家管理だけをした場合とでは、固定資産税や都市計画税がかかる、初期投資が必要という点はどちらも同じです。

異なる点としては、初期投資の金額が挙げられます。
空き家で賃貸経営を始める場合には、入居者募集にあたりハウスクリーニングやリフォーム・リノベーションをする必要があり、その分をプラスした初期投資が必要となります。
一方、空き家管理の目的によっては、空き家が特定空家の指定を受けない程度の状態を維持するために、人にケガをさせない、周囲に迷惑にならないようにといった、必要最低限の修繕でも十分かも知れません。

日中働いているサラリーマンや賃貸経営初心者が、賃貸経営を一から自力でおこなうことは容易ではありません。そのため、不動産管理会社の賃貸管理サービスを利用するケースが多いですが、そこでは管理委託費という手数料も発生します。この手数料は、物件や利用するサービスにもよりますが、空き家管理のみを頼む場合よりも、賃貸経営も行う場合の方が高くなることが多いです(逆の場合や同じくらいというようなこともあります)。

また、家賃収入を支払いに充てられるという点で賃貸経営は空き家管理と異なりますが、必ずしも賃貸経営を行なえば家賃収入を得られるとは限りません。初期費用を家賃収入でうまく回収できないというリスクも存在します。

うまく軌道に乗れば楽に利益を生み出せるようになる期待が持てる賃貸経営ですが、空き家管理と比べればコストもリスクも高くなりがちということは理解しておきましょう。

自分1人での賃貸経営は難しい

「小さな負担で不労所得」「楽に利益を生み出せる」とも書きましたが、賃貸経営は「賃貸物件を所有しているだけで、誰でも自動的に家賃収入が得られる」というものではありません。
賃貸経営で安定した家賃収入を得るには、入居者募集、入退去の管理、クレーム対応、毎月の家賃徴収等、居住者の対応をおこなう必要があります。

また、賃貸中に設備を入居者が利用できるよう「維持するための修繕」だけでなく、月々の賃料を高く設定できるようにし、賃貸期間を長くしやすくする「収入を増やすための修繕」といったことも検討の余地があります。

修繕は自分自身でおこなうわけではありませんが、複数の業者から見積をとって工事や修理、清掃の業者などの手配を進める必要があります。
これらの管理を賃貸経営の経験がない人が、自分1人で取り組むのは容易なことではありません。

安定した賃貸経営を簡単に行えるようにするには、賃貸管理の専門家である賃貸管理会社のサポートが必要不可欠です。

しかし、賃貸管理会社であれば、どこに委託してもいいというわけではありません。賃貸管理会社ごとに管理委託費の設定、営業力、管理内容等に差があるため、委託先を誤った場合は経営結果に大きな影響を与える可能性が考えられます。

空き家管理と賃貸経営のどちらが良いかも踏まえつつ、賃貸管理会社や空き家管理会社に一度話を聞いてみることをおすすめします。

まとめ

空き家オーナーの中には、「将来空き家を使用するかもしれない」「そのうち不動産の価格が上がるかもしれない」などの理由で、空き家のまま放置している人も多いと思います。
しかし、空き家のまま放置している場合、特定空家に指定されたことによる固定資産税の税率引き上げ、近隣住民に迷惑がかかるといったリスクを伴います。

特定空家への指定は適切な空き家管理をおこなえば回避できますが、空き家が遠方の場合には管理の継続が困難なこともあるでしょう。

空き家管理代行会社に委託することで、管理にかかる手間と費用を削減できます。そして、こうした空き家のリスクを踏まえて考えたときに、資産を手放すことなく賃貸で有効に活用することも視野に入れてみてください。
空き家管理を依頼するのではなく、賃貸管理を依頼するという選択肢を選んだ場合、リスクもそこにはありますが、資産の活用により利益を生み出せる可能性がそこにはあります。

空き家は放置せずに管理、あるいは賃貸経営を検討しましょう。いずれの場合も当社(リロケーション・ジャパン)によるサポートが可能です。当社は転勤時の賃貸や管理を専門に行ってきた歴史があり、お持ちの空き家を「どう活用すればよいか」ということについてもエキスパートとして助言・協力することができます。空き家管理のお悩みについて、ぜひご相談ください。