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公開日2022年11月8日/更新日2024年5月23日

賃貸管理での手数料の相場は?安さだけで選ばない相場に合った管理会社の選び方

賃貸管理での手数料の相場は?安さだけで選ばない相場に合った管理会社の選び方

賃貸管理を管理会社に依頼すれば、オーナーにかかる手間を軽減できるほか、選ぶ契約の種類によっては賃貸管理で生じるリスクを軽減させることも可能です。管理手数料は管理会社を決定するうえでの判断基準の一つになるものですが、管理手数料の安さだけで管理会社を決めるのは危険だと言えます。

管理手数料が安いサービスだと、管理会社の提供サービスに含まれる業務範囲が狭かったり、解約の条件に注意が必要だったり、過去の実績があまりなかったりするなどのケースがあります。

一方で、管理手数料が高くなると、管理会社が担当する業務範囲が広くなり、様々なリスクに備える保証が用意され、オーナーにかかる負担が軽くなり、安定的な賃貸経営を実現しやすいといったメリットがあります。加えて、トラブル対応に定評があったり、集客力に優れていたりといった強みがあり、管理手数料が高くても顧客数の多い実績豊富な賃貸管理会社である可能性もあります。

今回は、賃貸管理手数料の相場賃貸管理会社の上手な選び方についてご紹介します。

管理手数料とは

賃貸管理における管理手数料は、賃貸中に発生する入居者対応や物件管理を賃貸管理会社に委託する際、貸主が支払う業務委託費のことです。

空室の場合、管理手数料は発生しませんが、家を貸し出している間は毎月発生します。

管理業務の内容は多岐にわたることから(退去時の敷金精算、設備故障時の問合せなど急を要するものなど)全て自分で行うのは難しいこともあり、管理会社に管理委託をすることが一般的で、その際の報酬となります。家賃が入金される際に引き落とされることが多いです。

また、管理手数料に法律による制限はありません。

管理手数料が高い場合は業務範囲が広く、貸主が困らないような保証サービスが充実していることもあり一概に悪いとはいえませんが、家賃収入とのバランスも考慮しながら、しっかり見極めましょう。これらについては後半でご紹介します

管理手数料の相場は、家賃収入の5%程度

一般的に賃貸管理の管理手数料は、1か月分の家賃収入に対して何%という形で計算されることが多くなっています。管理手数料の相場は、家賃収入の5%前後です。この場合の家賃収入とは、家賃に共益費や管理費等を含む額で毎月入居者が支払う額の合計額にあたります。

最近では、管理手数料を安く設定している賃貸管理会社も増えています。特に、都心に近いエリアに立つ新築物件や築浅物件では、管理手数料を低く設定しているケースが多いようです。管理手数料が安い場合は、任せられる管理業務の幅が狭い可能性があります。5%未満の管理手数料の場合は、管理会社が担当する業務の範囲も確認しておくことが大切です。

管理手数料の業務範囲と範囲外の業務

管理手数料の範囲で行われる業務

一般的に賃貸管理会社では、次のような管理業務をサービス内容に含めています。

  • 入居者募集
  • 内見立会い
  • 賃貸借契約の締結や更新
  • 家賃の集金
  • 滞納時の督促
  • 設備トラブル・クレーム等の対応
  • 退去の手続き・立ち合い・敷金の精算
  • 原状回復工事・ハウスクリーニングの手配

最終的には管理手数料と業務範囲のバランスが重要です。管理手数料が仮に10%だとしても転貸のように、管理会社が基本的に全てを行うようになる場合、物件オーナーが行う管理業務はほぼなくなります。手数料が高くなったとしても不慣れな賃貸管理に関わらなくて済むことは、海外赴任や転勤で入居者との直接のやり取りが難しい場合などでも、安心して賃貸を行うことができるでしょう。

管理手数料の範囲で行えない業務

一般的に管理手数料の範囲に含まれない業務は以下の通りです。

  • 原状回復工事
  • 室内設備の故障時の交換や修繕
  • 建物自体や建物設備の修繕

ただし、原状回復や室内設備の故障時は業者の手配を行ってくれることが大半です。貸主が一から業者の手配をすることはありません。

管理手数料の範囲で行えない業務は、物件所有者として物件オーナーが実施しなければいけないものや、エレベーター工事などの建物設備のような専門性の高いものが該当します。

管理を依頼する業務の範囲によって管理手数料も異なる

前述した管理業務は、一般的に賃貸管理会社が提供することの多い業務範囲です。

しかし、管理手数料が相場よりも安い場合は、管理会社が担当する業務の範囲が狭くなり、オーナーが負担する業務が増える可能性があります。反対に管理手数料が高い場合は、上に紹介した業務以外にも提供されるサービスがあるなど、手厚いサポートが用意されているケースが多くなります。

また、賃貸経営では空室期間や家賃の滞納、設備の故障など、様々なリスクが生じる可能性があります。賃貸中に生じたリスクをオーナーが背負うのか、賃貸管理会社が背負うのか、その割合はどの程度であるのかによって、管理手数料は変わってきます。賃貸中に起きると想定されるリスクに備え、リスクをカバーするための保証を手厚くすれば、安定した賃貸経営が実現できますが、その分、管理手数料は高くなります。

つまり、オーナーにかかる負担が少なく、リスクに対する保証が手厚いほど、管理手数料は高くなるのです。管理会社を決めるときには、管理手数料の金額だけにとらわれず、管理手数料と依頼できる業務の内容やオーナーにかかる負担、リスクに対する保証も比較し、手数料が妥当な額であるかを判断しましょう

管理手数料が安い場合に注意したい3つのポイント

管理手数料が安い場合に注意したい3つのポイント

管理手数料が安い場合には、しっかりとサービス内容や契約内容を確認しておかないと、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまうこともあります。管理手数料の安い管理会社のサービスを検討する際には、次の3つのポイントを確認しておきましょう。

管理手数料以外の負担により、トータルコストが高くなる場合も

管理手数料以外のコスト負担が必要になる場合

管理手数料が安い賃貸管理会社では、手数料とは別にその他の料金が発生する場合も少なくありません。例えば、管理システムの利用料として毎月システム利用料の支払いが必要になるケースや入居者からのクレーム対応は別料金になっていたり、退去時の原状回復費用が高額だったりするケースなどがあります。

また、入居者がいない、いわゆる空室状態になってしまった場合に家賃の何割かを管理会社が保証する空室保証付きのサブリース契約などでは、保証料として毎月一定額を支払わなければなりません。

管理手数料が安くても、毎月5%以上の保証料を支払うのであれば、オーナーの手元に残る額は少なくなります。

このように、管理手数料が安くてもその他の費用がかかれば、最終的にオーナーが支払う費用は高くなり、トータルコストは高くなる可能性があります

オーナーの負担が大きくなる場合

次に、管理手数料以外の費用負担がなく、管理会社の業務範囲が少ないために手数料が低い場合も考えてみましょう。その場合、管理会社が担当しない業務はオーナーが行います。

例えば、入居者からのクレームや設備トラブルの対応をオーナーが担う場合、休日や深夜にも電話が入る可能性があります。入居者の家賃滞納時の督促サービスがない場合は、オーナーが入居者に繰り返し督促を行い、それにも応じない場合は法的手段に訴える必要もあります。

これらのことから賃貸管理の業務をオーナーが担当する場合、目には見えないコストや労力、時間が必要となることがわかるでしょう。転勤等で物件から離れた場所に住む場合などは特に、相場より高い手数料であっても幅広い業務を委託できるのであれば、トータルで見た場合に手数料の高い管理会社のほうがコストパフォーマンスの点で管理手数料の安い会社を上回る可能性があります

そのほか、管理手数料の安い会社の場合、解約時に条件が付いており、高額な違約金を支払わなければ解約できないケースもあります。賃貸管理会社を選ぶ際は、管理手数料だけにこだわらず、管理手数料以外の費用負担やオーナーにかかる負担も考慮に入れたうえで納得できる会社を選ぶようにしましょう。

サービスの質が悪ければ、入居者の早期退去につながる可能性がある

管理手数料が安い場合に、賃貸管理サービスの質が低ければ入居者の不満につながり、早期解約につながる可能性があります。

しかし、質の良いサービスを提供している管理会社を見極めるのは難しいのではと考える方もいらっしゃるかもしれません。管理業務をしっかり行っている会社かどうかは、管理を任せる前にも判断できます。それは、管理会社の担当者の対応がポイントになります。

例えば早いタイミングで連絡を返してくれる、質問には的確に回答してくれる、期日がある場合には期日を守るなど、誠意ある対応をする担当者であればその会社も信頼に値すべき会社である確率が高くなります。

管理会社のサービスの質が高ければ入居者の満足度も高くなり、長く安定した入居につながります。入居期間が長くなれば、オーナーはそれだけ安定して家賃収入を得られます。つまり、管理サービスの質は家賃収入に直接影響するのです。管理会社を選ぶ際には管理手数料の安さだけでなく、質の高い管理サービスを提供できる会社を選ぶようにしましょう。

管理手数料が安いと、オーナーと利害が一致しない場合も

会社はどこかで収益を上げなければ赤字になってしまい、会社として成り立ちません。

したがって、管理手数料を相場よりも安くしている賃貸管理会社は、管理手数料以外の部分で収益を上げている可能性が高くなります。

最近では、管理手数料を無料としている会社もあり、管理手数料を無料にしている代わりに、入居者を獲得したときに広告費として成功報酬制の費用を請求しているケースや退去時に発生する原状回復工事をその管理会社が行うことで管理手数料が少ない分をカバーすることもあります。この場合、管理会社の収益源は賃貸管理業務ではなく、入居者獲得時の成功報酬や原状回復工事費用になります。このことから貸主が期待する本来業務である管理業務が疎かになることも考えられるでしょう。

管理手数料を主な収益源としている会社であれば、入居者が安定して入居をし続けることで自社も安定した収益を得ることができます。この場合は、オーナーと賃貸管理会社の利害が合致します。

しかし、入居者獲得時の成功報酬を主な収益源としているような会社であれば、入居者募集の業務には力を入れるものの、収益になりにくい管理業務に関しては熱心に行わない可能性が高くなるのではないでしょうか。オーナーにとっては、入居者が頻繁に入れ替わるよりも、入居者に安定して長く居住してもらったほうがメリットは大きくなります。

オーナーと賃貸管理会社が目指すところが合致しなければ、互いの利益にはつながりません。賃貸管理会社を選ぶときは、オーナーと賃貸管理会社の双方が同じ目標を持てる会社を選ぶべきだと言えるでしょう

管理手数料だけにとらわれない。賃貸管理会社の見極め方法

賃貸管理会社を選ぶ際には、管理手数料だけにとらわれると負担を軽減できず逆に貸主の手間が発生することもあります。ここでは、それらが起こらないよう次のような点に注意して慎重に検討しましょう。

業務範囲が管理手数料に見合うものかをトータルで見極める

管理手数料が高ければ、それだけオーナーの手元に残るお金は減ってしまいますが「管理手数料」だけでの判断は賢明な選択だとは言えません。賃貸管理会社選びで大切なことは、トータルコストでどのくらいかかるのか、さらにご自身の手間・負担がどのくらい発生するかという点です

管理会社選びをする際には、以下の点を確認してサービス内容が管理手数料に見合うものかを検討しましょう。

  • 管理会社の変更を希望している場合は、現在の管理手数料
  • 管理会社から提供される業務の内容
  • スポットも含めて管理手数料以外にかかる費用があるか
    現状の確認をしたら、比較する材料として複数社に見積もりを取り、それぞれの管理手数料と業務範囲を比較して妥当なサービスを見極めることが大切です。

賃貸管理全体のトータルバランスで考える

例えば家賃10万円の物件の管理を依頼する際、複数社で比較し、その中で管理手数料が他社よりも2%安い管理会社があったとします。この場合、2%の管理手数料の差によって生じる年間の管理手数料の差額は24,000円です。

しかし、入居率が低い分、手数料を安くすることで貸主を募集していたら、借主を見付ける技術は他社より劣るでしょう。仮に空室期間が1か月延びればそれだけで生じる損失は10万円です。空室のリスクに比べれば、管理手数料の差が収益に与える影響はさほど大きくはないことがわかります

つまり賃貸管理会社を選ぶときには、管理物件の数や管理物件の入居率なども確認し、安心して管理を任せられる管理会社を選ぶことが大切なのです

出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所「第25回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』2020年10月~2021年3月

管理手数料以外にかかる費用があるか

管理手数料が安い場合はそれ以外の費用があるのか、あるのなら費用の内容や発生頻度を確認しましょう。毎月の管理手数料が安くても、成約時のシステム利用料、更新時の更新費用などがかかることが考えられます。

前述の通り、管理手数料は管理業務とのトータルバランスが重要です。

たとえ毎月の管理手数料が安くても、それ以外にかかる費用があり管理手数料の安さをカバーされてしまったら意味がありません

希望する条件での管理実績が豊富であり、提供業務の幅が広い会社であるか

賃貸管理は「どのように貸し出すか」によって対応が異なります。

たとえば転勤期間中だけ自宅を貸し出すリロケーションの場合は、一般的な賃貸契約とは異なる契約方式を用いるため、専門的な知識やノウハウが必要です。

貸主が遠方にいることから日常的に連絡を取り合うことが難しいため、「転貸」という管理方式を採用することが多く、この場合、貸主は管理業務のほとんどを管理会社に任せられるようになります。また、貸主を守るための保証サービスが多くリスクを軽減に繋げられます。

お金で安全を買うように、発生し得るリスクを事前に回避するのも管理手数料だけにとらわれない見極め方です

賃貸管理会社の選び方

賃貸管理会社の選び方

管理手数料が安い場合の注意点や、賃貸管理会社選びのポイントをご紹介してきました。ここでは、賃貸管理会社の具体的な選び方をご説明します。

賃貸管理の実績が豊富にあり、入居率の高い会社を選ぶ

安心して管理を任せられる賃貸管理会社は、これまでに賃貸管理の実績が十分にあり、かつ高い入居率を誇る会社です。賃貸管理の実績を豊富に持つ会社であれば、それだけ賃貸管理のノウハウを持っている可能性が高く、質の高いサービスを提供しているからこそ、管理物件の数も多いと考えられます。

また、オーナーとして家賃収入で得られる収益を高めるには、入居率の高い会社であるかどうかも欠かせないチェックポイントです。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が2021年6月に発表した『日管協短観』によると、首都圏の2020年下期の委託管理の入居率は約95%です。管理手数料が安い会社であっても、入居率が95%を下回るようであれば空室による損失の方が大きくなると考えられます

複数の管理会社に確認する

管理手数料と管理業務の範囲は各社で異なります。

3社くらいの管理会社から業務範囲と管理手数料を聞きましょう。そうすることで管理手数料の高い、安い、の区別もつけられます。

同時に管理会社の業務範囲も知ることができるので、管理手数料と見合った業務であるかトータルで判断をつけられます。

まとめ

賃貸管理の管理手数料は、提供されるサービスの内容や質によって大きく変わります。管理手数料が安ければ、それだけオーナーの手元に残るお金が増えるため、管理手数料の安さは魅力に感じることが多いでしょう。

しかし、管理手数料の安い会社を選択することが、必ずしも賃貸経営を成功させるわけではありません。賃貸管理会社を選ぶ際には、賃貸期間中に発生しうるリスクやオーナーにかかる負担なども含め、賃貸の目的にあった管理会社や管理サービスを選ぶことが大切です。

当社では、次のような様々なシーンにご利用いただける賃貸管理サービスをご用意しております。

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不動産の賃貸が初めての方にとっては、不安なことも多いでしょう。

当社では、賃貸が初めての方でも安心してご利用いただけるように手続きの流れや契約プランなどをわかりやすくご説明いたします。また、これまでの賃貸管理のノウハウを活かし、トラブル発生時や入居者からの問い合わせにも迅速かつ適切に対応できる充実したサービス体制をご用意しております。賃貸管理サービスを検討される際は、実績豊富な当社にどうぞお気軽にご相談ください。

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