転勤に際し、現在住んでいる自宅を賃貸しようと考えている方にとって気がかりなのは、いくらで貸し出してどれくらいの収入になるかということ、そして、貸し出したときにかかる諸費用がいくらくらいになるかということでしょう。そこで今回は「賃貸でどの程度の収益が得られるのか」を考える際に必要な知識である、「賃貸でかかる費用」について、賃貸管理会社に支払う手数料の話を中心に説明します。また、費用が割高か割安かを考えるとき、転勤時の賃貸とそれ以外の賃貸では異なる事情も存在するため、転勤中に家を貸す場合にかけるべき費用についても、最後に少しだけお伝えします。
投資や相続、転勤など賃貸を行う目的はそれぞれですが、これから自宅を貸そうとする多くの人にとっての関心事は、やはり「賃貸を続けて最終的に収支としてどれくらいのプラスを生み出せそうか」ということでしょう。
賃貸管理会社に依頼して自宅を賃貸した場合の収益を大まかに見ると、以下のようになります。
収益 = 家賃収入 - 管理会社への手数料 - そのほか必要経費
当たり前のことですが、家賃を増やして、かかる費用を抑えていけば収益を伸ばすことが可能です。
しかし、一般的に家賃を高くするほど入居者様が見つかりにくくなり、空室の期間は長引きやすくなるという注意点があります。高い家賃を設定したために入居者がなかなか見つからなければ、思っていたような家賃収入を得ることは難しいです。
では、家賃を安く抑えるしかないのかというと、そうともいえません。例えば、工事・リフォームを行うなど、入居者にとって魅力的な空間を作り出すことで借りてもらいやすくなる場合もあります。費用は掛かってしまいますが、資産価値も下がりにくくなるため有効的です。
前述の式に当てはめて考えると、右辺に当たる収入・支出のそれぞれは(合理的に支出を行えるならば)「支出増⇒期待できる収入も増」という相関関係が成り立つといえます。逆に、合理的な支出を行えなければ、かかった費用分を回収できない可能性もあり、この相関関係は因果関係ともいえるでしょう。
合理的な費用のかけ方について分からなければ、賃貸管理会社でプロの助けを借りながら決めると安心です。管理会社に支払う手数料も安ければ安いほどいいわけではありません。手数料が高ければその分受けられるサービスが多く、オーナーの手間や労力の削減につながります。また、費用をかけて保証をつけるなどして突発的に発生する必要経費を抑えることで、結果として収益の安定へとつながるといったことも考えられます。
賃貸中には、賃貸管理会社へ支払う手数料以外にどのような費用がかかるのでしょうか。持ち家なら住宅ローン(残っている場合)や、固定資産税・都市計画税など、ランニングコストとして必然的にかかるものもあります。そのうえで、貸すことでさらにどんな費用がかかるのか、少し整理してみましょう。
【家を所有することでかかる費用】
◆ 火災保険料
火災保険は家を買って住み始めたときに加入している方がほとんどですが、貸すことを決めたら内容の見直しをおすすめします。万一加入していなかった、という場合はこれを機に加入すると良いでしょう。
賃貸物件の場合、借主側が加入している保険では、借主の過失による場合にしか適用されません。未入居時・退去後の火災や隣家からのもらい火の場合は、オーナーが負担しなければなりません。また、落雷やマンションの上階での漏水による水濡れなど、火災以外の損害が発生した場合についても火災保険で補償され、賠償金・修理費等をカバーできます。
「もしも」の場合の備えとして、火災保険には加入しましょう。
◆ 修繕費(付属設備、機械装置、器具備品など)
備え付けの設備には耐用年数があります。賃貸中に通常利用の範囲で、寿命などで機能しなくなった設備は入居者ではなく、貸主が直して機能する状態を回復・維持しなければなりません。家に住み続けているときにかかる程度の費用は、貸している間もかかると考えておきましょう。
転勤中の賃貸であれば、修繕にかかる費用の一部は、貸し終わって自宅に再び住んだときのためでもあります。直し方が選べるようなときには、そうしたことも踏まえて検討すると良いでしょう。
こうした修繕費について、契約期間中に建物設備機器が故障した場合を想定しているサービスもあります。メンテナンスフリーサービスなどと呼ばれることが多く、これを利用することで突発的な出費の抑制が期待できます。かかってしまった費用(経費)については、確定申告すれば税控除の対象になります。賃貸する前のハウスクリーニングなどについても同様です。
◆ 固定資産税・都市計画税
家を購入すると毎年固定資産税・都市計画税が課税されます。納税義務者は、所有者ですので、住んでいる・貸しているにかかわらず、負担しなければなりません。
【賃貸するにあたってかかる費用】
◆ 施設賠償責任保険料
火災保険料は多くの方が家を購入された際に加入していますが、賃貸を行う場合は「施設賠償責任保険」への加入も検討しましょう。
施設賠償責任保険は、賃貸中の物件の設備によって入居者がけがをした場合や、建物の外壁が落下して通行中の車を傷つけてしまったときなどのための保険です。加入しておくことで万一の際に賠償金・修理費・事故発生時にかかった費用(応急手当等)・裁判等で必要となる費用を補填できます。
◆ 所得税・住民税
家を賃貸して賃料収入を得ると不動産所得として所得税・住民税が課税されます。所得税については源泉徴収が行われる場合があり、海外赴任時の賃貸では、還付申告すると還付を受けることが可能です。
◆家を貸すためのリフォームやハウスクリーニングの費用
しっかりと賃料を得るためにあえて支払う費用です。家をうまく貸し出すためには、単に設備が壊れたら直す、という以上の費用がかかります。「入居者を得る」「入居者に高い賃料を払ってもらう」「入居者に長く住んでもらう」こうした目的のために、基本的な処置として、業者によるハウスクリーニングを行い、必要に応じて大小のリフォームが必要です。
◆ 入居者様退去後の原状回復費(入居者負担)以外の修繕費等
退去時には退去査定が行われ、建物・施設の原状回復費として入居者に請求できる費用もあります。例えばタバコの煙による壁紙の変色や、掃除を怠ったことによるカビなど、入居者の過失が明らかな場合は、入居時に受け取った敷金で修理費を補えない分について請求が可能です。しかし、畳の摩耗やフローリングの色落ち、家具設置による凹みなど、経年による劣化では請求が認められません。基本的には、「貸している期間分、普通の生活分は消耗する」という考えの元、それ以外の部分が支払われるので、自分が住むためや、再度誰かに貸すために、元通りやそれ以上の状態まで直そうと思うと、やはり費用がかかります。「普通の生活分の消耗」は、もう少ししっかりと書くと「通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」のことです。「通常の使用」は人によってバラつきがあるものなので、国土交通省で基準を定めたガイドラインがあります。請求の可否は一般的にこの内容に従うものなので、普段の家の使い方がガイドラインで想定されたよりも十分にキレイなオーナーにとっては、これも貸すための費用と捉えられなくもありません。
分譲マンションを貸す場合は、管理組合員として共有部や共有のサービスを資産として守っていくために、部屋ごとの決められた費用を支払っていることと思います。これらは家を持っていればかかる費用ですので、これらもランニングコストとして心に留めておくと良いでしょう。
次に、賃貸管理会社へ支払う手数料に注目してみましょう。月々支払う費用と申込・入居・退去などの機会が訪れたときに支払う費用があり、主な費用は家賃に対して○%といった料金設定になっている賃貸管理サービスが多いです。たとえば10万円の家賃の物件で手数料が5%の場合は、毎月5千円の手数料を支払うことになります。
賃貸管理の手数料は会社やサービスごとに異なります。さらに言えば、管理方式によっても相場に差があります。もちろん各社ごとの経験や考え方によって生じている差もありますが、基本的には貸主のリスクや手間を抑えるために多くのリスクをカバーしているサービスほど、高い料金設定です。特に手数料で大きな差を生むのは、サービスごとの賃貸借契約の種類と、賃貸管理サービスとしての提供方法の違いによるものと言えます。
家を貸すときに結ぶ賃貸借契約は、長期間の賃貸で安定した収入を得たいオーナー向けの「普通借家契約」、期間を限定して賃貸運営を行いたいオーナー向けの「定期借家契約」、そしておもに転勤者を対象としたの「一時使用賃貸借契約」の3種類です。
また、賃貸管理会社が賃貸管理サービスを提供するにあたって、どういう方式を採るかによって、どういうことが起きたときに、そのリスクを貸主・賃貸管理会社のどちらがどれくらい負うのかということが変わってきます。大きく分けると「管理委託」と呼ばれるものと「転貸借(てんたいしゃく)」と呼ばれる二つの方式です。
「管理委託」は一般的な賃貸物件に多く用いられており、物件の賃貸管理業務を不動産管理会社が代行します。手数料相場は転貸借の場合に比べて安価となる傾向です。
「転貸借」は、管理会社が所有者の物件を借り上げて、入居者へ貸し出す方式です。「サブリース」という言葉で聞いたことがある人も多いと思います。サブリースと聞くと「部屋が空いてしまっても毎月決まった家賃がもらえる」というイメージを持っていたり、「トラブルになったという情報をメディアで見たことがある」という方も多いかも知れません。
しかし、転貸借(=サブリース)であるかと、空室時の家賃保証があるかという話は別物です。そのため、空室時の家賃保証がついた賃貸管理サービス以外でも、リロケーション(転勤期間中の留守宅の賃貸管理)などでは転貸借が多く用いられています。リロケーションでかかる手数料は管理委託と比べて高い傾向にあるので、利益の最大化という面では劣りますが、持ち家を空けて遠方に住む転勤などのケースでは、貸主のリスクや手間の面で、転貸借によって提供されるサービスの方が好都合になるのではないでしょうか。
賃貸管理を賃貸管理会社が「代行」するのみの管理委託方式に対して、転貸借方式では、家の所有者と不動産会社との間で賃貸借契約が結ばれます。そして、賃貸管理会社が入居者との間でも賃貸借契約を結ぶことで、賃貸管理会社は家の所有者に対しては借主であると同時に、入居者に対しては貸主にもなります。
入居者にとっては「物件の所有権はオーナーにあるが、自分が契約をしているのは賃貸管理会社」という図式です。そのため、賃貸管理会社は賃貸を行う当事者として入居者と向き合うこととなります。結果として、賃貸管理でトラブルが発生した場合などの対応や、入居者との賃料交渉といった煩雑な業務を行う際に賃貸管理会社が負うリスクが高くなり、家の所有者であるオーナーのリスクは大きく軽減され、転勤時でも心配や手間は小さく、安全に賃貸経営を行うことが可能で。
賃貸借契約の種類やサービスの提供方法以外にも、賃貸管理会社に支払わなければならない費用が変わってくる要因があります。賃貸管理会社が受け取る手数料の基本的なものは、「入居者募集」「賃貸借契約」「貸し出し中の出納や設備不具合等への対応」「解約時の精算」といった賃貸運用に伴う一連の業務への対価として支払われるものです。これらの手間やリスクの負い方の大小によって、支払う額の差にも反映されます。
しかし、賃貸経営を行う賃貸オーナー(大家)にとって、こうした通常の運用業務は、トラブルなく行われるとは限らないという心配があるでしょう。そのため、賃貸管理会社の多くは、賃貸経営を安定させるために、そうした「何かあったときのため」の保証をサービスとして揃えているものです。
賃貸管理会社の考え方によって、保証を標準的なサービスの一部としてパックやセットのように含んでいることがあります。また、必要かどうかは状況によるといった保証サービスをオプションとして、標準的なサービスとは料金を分けて用意している会社もあります。いざというときに利用できるサービスが多いことは、安心材料といえるでしょう。
たくさんの保証がついているほど、支払わなければならない額は大きくなっていきますが、適切にいくつかの保証がついていれば、急な出費、高額な出費を抑制できたり、収入が落ち込んだりしづらくなる分、毎月見込み通りの収支を実現しやすくなります。例を挙げると、設備の不具合が起きたときに修理や交換の費用を補填するもの、入居者から賃料が支払われなくても賃貸管理会社が賃料の支払いを続けるもの、家の設備が人や物を傷つけてしまったときの保険といったものです。一定の頻度が見込まれるもの、滅多になくてもリスクが高くて心配なもの、そうしたことについては保証をつけておいた方が安心できるでしょう。
賃貸管理会社によっては大きなリスクを肩代わりするような保証サービスを提供していないこともありますが、賃貸管理会社の中でもリロケーション会社とも呼ばれる当社(リロケーション・ジャパン)のような企業は、保証サービスの種類も豊富といえます。投資目的などの賃料に比べ、リロケーションでは賃料の最大化よりも安全な賃貸経営を重視することが多いからです。賃貸管理会社に「何に備えたどういう保証があるのか」を聞いてみることで、賃貸経営にはどういうリスクがあるかについても知ることができます。料金と見比べながら、必要な保証が揃ったサービスを利用することで、賃貸経営のリスクをコントロールしましょう。
賃貸管理に関する手数料として挙げられるものの中に「仲介手数料」と呼ばれるものがあります。
仲介手数料は、不動産仲介を行う会社に入居者募集について重点的に相談するような場合は、賃貸運営で発生する費用として確認しておくべき手数料です。ですが、不動産管理会社に賃貸運営を全般的に任せる形で賃貸運営を行う場合には、入居者募集のための不動産仲介会社とのやり取りもその中に含まれています。そのときに発生する仲介手数料は、借主側の負担であることが一般的です。貸主が賃貸運営の収支を考える上では直接的に関わりがない手数料になることが多いでしょう。
この仲介手数料というのは、賃貸借契約を結ぶ際に貸主と借主の間に入る不動産仲介会社に対して、その貸主と借主から取引成立の対価として支払われる手数料です。
不動産仲介会社が受け取る仲介手数料には、宅地建物取引業法における上限が定められており、貸主と借主から受け取る金額の合計は最大で月額賃料の1ヶ月分+消費税までとなっています。
貸主と借主それぞれから0.5ヶ月分+消費税ずつ支払われるというケースもあれば、貸主と借主のどちらか一方から1ヶ月分+消費税が支払われるというケースもあります。
不動産仲介を行う会社に入居者募集について直接相談するような場合には、賃貸運営で発生する費用として確認しておくべき手数料ですが、不動産管理会社に賃貸運営の全般を広く任せるようなサービスを利用して賃貸運営を行う場合には特に、入居者募集のための不動産仲介会社とのやり取りもサービスの中に含まれており、そのときに発生する仲介手数料は借主側の負担ということも多いため、貸主が賃貸運営の収支を考える上では直接的に関わりがない手数料になることも多いです。
リロケーションなどの賃貸管理のサービスを利用することで、オーナーは賃貸運営上必要となる業務の一部、またはほとんど全てを委託し、賃貸運営の手間を省くことができます。委託できる業務は不動産管理会社と契約した内容によって異なりますが、受けられるサービスには大きく「入居者募集」と「入居中の管理」と「解約・精算」の3つです。募集や管理に加え、入居者が出るときの解約・精算時も不動産管理会社が間に入り、新たな入居者の募集、あるいはオーナーが自宅へ戻るまでをサポートします。
入居者の募集で必要なことは次の通りです。
① 賃貸管理会社は、オーナーの希望した賃料で物件に住む入居者を募集します。
② 物件の状況を確認したら、賃料を中心とした募集の条件を提案し、オーナーの希望とすり合わせた上で設定し、物件広告掲載用の撮影などを行います。
③ 条件と物件情報の概要を載せた物件広告を作成、ポータルサイトや提携している不動産仲介会社のウェブサイト等へ物件広告を掲載するなどし、各社が持つネットワークを通して入居者募集を行います。
④ 入居希望者から申し込みを受けたら、入居希望者の審査を行います。審査通過後は、書類手続きや契約金の受領、鍵の引き渡しなど、契約業務も行います。解約時に備えて、入居者が住み始める前の状態を記録するための動画撮影といったことも行います。
入居者との間で必要なやり取りについて、月々の家賃の集金・オーナーへの送金、賃貸中に起こったトラブルへの対応といったことをオーナーに代わって行ってくれます。入居者からの相談や苦情といった問い合わせ、急な設備故障のトラブルなどにも対応してもらうことが可能です。
たとえば、入居者から設備故障の連絡を受けた際には、まずは状況を聴取し、緊急性の高さや誰の費用負担になるかといったことを判断。費用がかかる場合は、見積金額を算出しオーナーへの報告、修理業者や交換品・代替品の手配をするというトラブル解決に向けた一連の対応までも代行します。賃貸管理会社が間に立っていればオーナーは直接対応しなくてよいので、転勤などで遠方に住んでいる場合でも安心して賃貸運営を行うことができるでしょう。
リロケーションでは入居者からの解約や契約期間の満了、オーナーの帰任を事由とした解約によって賃貸借契約が終了します。解約に際しては一連の手続きも賃貸管理会社が行い、具体的には、入居前の状況記録をもとに賃貸期間中に物件が受けた損傷を調べ、賃修繕に必要な費用や、入居者負担となる原状回復費用の算出及び請求といった解約に向けての精算手続きです。必要に応じて、賃貸終了後に自分が住む場合や、次の入居者募集を見据えたリフォーム工事の相談もできます。
転勤に伴って、将来的に戻ってくる自宅を転勤に伴って賃貸する場合は、ここまでの説明でもところどころで取り上げた、リロケーションと呼ばれる転勤時留守宅賃貸管理サービスを利用することをおすすめします。
リロケーションは、自分の住む持ち家があるにも関わらず転勤になってしまったとき、転勤期間中の留守宅を資産として守りつつ、住宅ローンや転居先の家賃といった支出の悩みを「期間限定の賃貸管理」という方法で解消しようという目的で生み出されたサービスです。
不動産に投資して、いかに収益を生み出すかという投資目的向けに設計された賃貸管理サービスとは異なり「安心・安全優先で家を貸し、帰任時にあわせて無事に戻りたい」というニーズを優先したサービス設計になっています。賃貸経営の手間削減・リスク抑制を目的に、オーナーに代わって賃貸管理会社が借主に対応するとともに、豊富な保証サービスを揃えていることが多いです。
前述した賃貸借契約に関していえば、帰任後を見込んで「普通借家契約」以外の契約が用いられることが一般的です。リロケーションを積極的に取り扱っている会社は、一般的な不動産賃貸に用いられる普通借家契約を多く扱っている会社と比較して、転勤などで家を貸すオーナーの契約サポートに慣れているとも言えます。
転勤では、一般賃貸とは異なる契約を用いた賃貸が適しています。ご自宅等を一時的に離れる間、そこを貸し出したいときなどに利用される一時使用賃貸借契約が最適でしょう。一般賃貸と異なる契約としては、将来的に売却を検討している等の事情で賃貸期間を限定したい場合を想定した定期借家契約もあります。これら二つの契約は貸主が申し出る解約のとき正当事由が必要なく、契約期間の満了、もしくはあらかじめ定めた条件を満たすことによって契約が終了する契約内容です。
そのため、明け渡し時のトラブルなどを避けられるというメリットがあります。特に一時使用賃貸借契約では一定条件のもとオーナー側から解約を申し出ることができるため、転勤終了時にあわせてご自宅へ戻ることが可能です。
賃貸経営で高収入を目指すのであれば、管理会社に支払う手数料が小さくて済むサービスを利用する、あるいは賃貸管理会社を使わないという選択肢も存在します。しかしそうした場合、オーナーは数々の「大家仕事」を行う手間が発生し、賃貸経営に慣れていればともかく、初めて自宅を貸す人にとってそうした仕事を問題なく行うのは難しいでしょう。そこで、転勤で家を貸すといった場合には、リロケーションサービスで提供される細やかなサポートが特に重要です。海外などの遠方に発つ人であれば、その重要度はさらに増します。より多くのオーナー業務を委託することができ、保証サービスによってリスクを軽減できるからです。
転勤時の賃貸であれば、賃貸管理を取り扱っている会社の中でも、リロケーションを取り扱った経験・実績が豊富な会社に任せるのが安心といえるでしょう。
今回は転勤時に初めて賃貸経営を行う方向けに、得られるであろう収益と、かかると予想される費用、選択する契約・方式によってサービスなどがどのように違ってくるか、そして転勤時の賃貸経営・費用の考え方について紹介しました。
中でも賃貸管理会社へ支払う管理手数料は、契約の種類やサービスの提供方法によって大きく異なります。基本的な運用業務に対して支払う管理手数料のほかにも、あえて費用をかけて手厚いサービスを選べば、賃貸中や解約時のリスクをコントロールすることが可能です。賃貸経営にどういうリスクがあるかを把握する上でも、保証が充実しているリロケーションを多く取り扱う賃貸管理会社に問い合わせてみることをおすすめします。
転勤時の賃貸運営では、ご自身ですべてのオーナー業務を行うことは難しいため、賃貸管理会社の保証やサービスを積極的に活用し、賃貸運営における手間やリスクを軽減しましょう。
なお、この記事で述べた一時使用賃貸借契約を取り扱う会社は限られています。その会社が提供している賃貸管理サービスがどの賃貸借契約で行われるものなのかによって、賃料・手数料・解約方法などは変わるものです。「転勤時の留守宅を賃貸に」と考えている場合は、契約方法についてまず、相談してみることから始めましょう。
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