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公開日2012年11月30日/更新日2020年8月24日

海外転勤からの帰国準備~どうなる?持ち家の消耗~

海外赴任・出張を無事に終えたなら、久しぶりに生活するわが家をお手入れし、日本での暮らしを気持ちよく再開したいものです。その際にはやはり、賃貸していた住宅の消耗・損傷等を入居者にどこまで賠償してもらえるのかが気になるところではないでしょうか。その定義について大枠を知っておくだけでも、リフォーム計画を立てられやすくなると思います。

「自然損耗(経年劣化)」と「原状回復義務」との違い

海外転勤からの帰国準備~どうなる?持ち家の消耗

賃貸物件においては、貸した側と借りた側のどちらの負担で原状回復を行うかについて問題になることがあります。国土交通省が定めるガイドラインによると、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は入居者が負担するものとされています。そのうえで、通常の使用による損耗等(経年劣化)の修繕費用は賃料に含まれるものとされています。
つまり、「原状回復」とは「入居者が借りた当時の状態に戻すことではない」ことが、ガイドラインによって明確化されているのです。

A:賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても、発生すると考えられるもの
B:賃借人の住まい方、使い方次第で発生したり、しなかったりすると考えられるもの(明らかに通常の使用等による結果とは言えないもの)
A(+B):基本的にはAであるが、その後の手入れ等賃借人の管理が悪く、損耗等が発生または拡大したと考えられるもの
A(+B):基本的にはAであるが、建物価値を増大させる要素が含まれているもの

⇒ このうち、B及びA(+B)については賃借人に原状回復義務があるとしました。

経年劣化による「自然損耗」、つまり、時間の経過とともに自然に住まいや設備が消耗して価値が減少する分については、入居者(賃借人)は負担の義務を負うことはありません。その部分の修繕に関しては、すべてオーナー様(賃貸人)負担となります。一方、「原状回復義務」については入居者(賃借人)に負担義務がありますが、敷金によってどこまでカバーされるのか、敷金を超えて原状回復費用が生じる場合の入居者への追加請求に対する支払い拒否など、賃貸におけるトラブルとして耳にされたこともあるかもしれません。「海外赴任・転勤からの帰国時の準備①」でもふれましたが、リロケーションによって持ち家を賃貸した際、入居者の「責めに帰すべき事由」による建物の損傷等については、入居者に「原状回復義務」が生じるため、賠償を受けることができます。(※上限金額の設定など一定の条件があります)

リロケーション・ジャパンの「リロの留守宅管理」では、弊社基準をもとにプロが査定を行うため安心ですが、「自然損耗」と「原状回復義務」について、具体例をあげてみましょう。

タバコによる畳の焼け跡は? 日照による壁紙の日焼けは?

入居者に「原状回復義務」が生じる入居者の「責めに帰すべき事由」とは、入居者の不注意や不適切な住まいの使用方法等による損傷のことをいいます。たとえば、タバコ等によって畳に焦げ跡をつけたり、ペット禁止という条件にも関わらずペットを飼ってフローリングを傷つけたりしたケースなどが考えられます。重いものを落下させたことによりついたフローリングのへこみ傷や、家具の角をぶつけて建具や壁にへこみが生じるような傷をつけた場合も同様です。
洗濯水や風呂水などの水漏れを放置して床面や床下に腐食などの損傷が生じた場合なども、入居者の使い方のせいで発生してしまった損害とみなされます。

それに対して、日照による畳・壁紙・クロスなどの日焼けや、給湯器やクーラーなど住宅設備の経年劣化による傷み、通常見ることのできない床下の古い排水管の小さな亀裂などにより生じる床下部分の腐食などの損傷などは、「自然損耗」とされます。つまり、月日の経過によって自然に生じる住宅の価値の減少分です。その修繕費用は毎月の賃料に含まれているとされるため、「自然損耗」については入居者の賠償範囲外となります。
内水氾濫時の排水管の逆流など、「入居者の責めに帰さない事由」による床や床下部分の損傷なども、入居者の賠償責任の範囲外です。

ハウスクリーニングやリフォームで新生活を快適にスタート

こうした明け渡し時の査定を受けて持ち家の状況を把握したうえで、水まわり、畳や襖、壁紙の張り替え、給湯器の交換、鍵の取り変えなど、気になる部分についてハウスクリーニングや簡単なリフォームを行うだけでも、帰任後の新しい生活を気持ちよくスタートできることでしょう。

「リロの留守宅管理」では、賃貸斡旋時のリフォームや契約中のメンテナンスはもちろん、帰任時のリフォームについても、リフォームの専門チームが提案から工事完了まできめ細かなサービスを提供しています。入居者との契約やトラブル対応、賃料や退去の手続きなどに関しても、弊社が間に入ることでオーナー様にとって面倒な交渉が不要となり、手間もリスクも軽減されます。大切な持ち家だからこそ、ちょっとしたことでもご相談されてはいかがでしょうか。

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