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「リロの留守宅管理」リロケーション基礎知識 vol.36
海外赴任生活のストレスと上手に付き合う方法

言葉の違いによるコミュニケーションの壁、不慣れな文化や生活環境への適応、新たな仕事や職場で感じる気苦労など、海外赴任には様々なストレスが付きまといます。異国での生活に徐々に慣れていければストレスも軽減していきますが、駐在員の中には海外での生活になかなか順応できずメンタル面に不調をきたしてしまう方も少なくありません。 海外赴任生活に適応するまで誰しもが通る過程と海外生活におけるストレス対策についてご紹介します。

海外生活に適応するまでには4つの段階がある

海外赴任者のメンタルヘルスを研究する関西福祉大学の勝田吉彰氏によると、海外で新たな生活を始め、馴染んでいくまでには4つの段階があるとしています。それぞれの段階とその時期の注意点をご紹介します。

・移住期

まず、海外赴任生活を始めてすぐの時期を「移住期」と呼びます。住居の決定や水道・ガス・電気の手続き、生活に必要な家具や家電の購入など生活を立ち上げるための準備に忙しく、仕事面でも新しい取引先への訪問など、目の前にやるべきことが押し寄せるため、多忙を極める状態の中バタバタと日々が過ぎ去っていきます。
この時期には、忙しさからストレスを自覚することはあまりありません。しかしながら、この時期に頑張りすぎてペースを上げてしまうと、スタート時の疲れが後々に影響を及ぼします。移住期は海外生活のペースを作っていくという意味で大切な時期です。初めからハイペースで飛ばしすぎないよう注意をしましょう。

・不適応期

移住期のバタバタがひと段落し、赴任から数カ月後に訪れるのが「不適応期」です。この時期は、メンタル的に最もハードで大変な時期であり、最も注意が必要な時期であるとされています。 赴任した国と日本の違いに目がいき始め、日本との習慣の違い、働く環境の違い、生活環境の違いの不満な点ばかりが気になり、大きなストレスを感じるようになります。 また、新しい生活では精神的にも緊張した日々が続きます。移住期からの肉体的な疲れともあいまって、心身ともにバランスを崩しやすい時期です。
この時期は、ゆったりとしたペースで過ごすように心がけ、仕事も詰め込みすぎないように気を付けましょう。この不適応期は誰もが通過する過程であり、新しい生活になかなか適応できない自分を責める必要はありません。ストレスを強く感じる場合には、休暇をとったり日本に一時帰国したりすることも有効です。

・諦観期

不適応期が過ぎれば次は「諦観期」に移ります。現地のマイナス面だけでなく、良い面にも目がいくようになります。不適応期には嫌悪感を抱いた悪い面についても「日本と違うのだから仕方ない」と受け入れられるようになってきます。
仕事も現地のやり方やペースに慣れ、赴任生活に全般的に馴染み始める時期です。生活を立ち上げるために必死の移住期、周りが見え始めるようになった数カ月の不適応期を過ごし、諦観期に入るまでには相応の時間を必要とします。

・適応期

生活も仕事も軌道に乗り、現地の生活に適応し始めるのが適応期です。仕事や生活においてストレスを感じることも少なくなり、海外での赴任生活を楽しめるようになってきます。

海外生活のストレス対策として大切なこと

・赴任前から準備をする

渡航する前の段階で、海外赴任中にメンタルの不調をきたした時の相談先を調べておきましょう。勤務先の相談窓口や各種電話相談ラインなどの他、現地での医療情報、加入する海外駐在保険でカバーできるメンタル関連の医療機関なども調べておきます。 精神的なバランスを崩してしまってからでは、正常な判断ができかねる場合もあり、元気な時に万が一の相談先を明確にしておくことは大切です。

・早い段階で不調に対処する

メンタルヘルスでは、不調が酷くなる前に、初期症状を感じ取って早め早めの対処を行うことが大切です。まず、メンタル面では、憂鬱な気分になり、物事が決められなくなるなど、何事にも億劫になってこれまで興味のあったことにも関心を示さないようになりがちです。 また、眠れない、頭痛や胃痛、肩コリがする、食欲がなくなる、逆に食べ過ぎてしまう、といった身体的な症状も現れてきます。
眠れないからといって、ついついお酒の量も増えてしまいがちですが、過度な飲酒はメンタルヘルスの天敵で、お酒の量を制御できなくなってしまうと危険信号です。 まずは、無理せずゆっくり過ごし体の疲れも癒すように心がけましょう。

・ストレスを発散できる息抜きの時間を

ストレスを軽減させるためには、気分をリフレッシュさせることが大切です。 荷造りの際は、日本で楽しんでいた趣味やスポーツの道具も忘れずに持っていきましょう。日本語の本を読み、日本語の音楽を聴き、好きなスポーツや釣り、料理、お菓子作りなどをすることで心も体もリラックスさせることができます。 家族との時間を持つことはもちろん、同じ海外赴任の苦労を経験している日本人の知り合いを作ることも、お互いの支えになることでしょう。

つらい時には医療機関に相談し一時帰国も検討を

メンタルヘルスの対策としては、まず、つい無理をしがちな移住期にもできるだけ生活のペースを崩さず、疲労を蓄積しないことです。心身の疲れを自覚し始める不適応期では、あまりスケジュールを詰め込みすぎず、意識して仕事の負担をセーブすることも重要です。
そして、症状がつらい時には自分一人で抱え込まず、相談窓口や医療機関を利用し、会社にも相談して一時帰国を検討することが大切です。