ルーフバルコニー

るーふばるこにー

ルーフバルコニーとは
【概要】
通常、住居においてバルコニーは住居に付帯する屋外の生活スペースとして、建物の外周壁から突き出すように作られたものであるが、階下住戸の屋根(ルーフ)部分をそのような住民の生活スペースの一部として作ったものがルーフバルコニー。
個人用の屋上のような形でマンションの上層階の住宅に備わっていることが多い。
階下の屋根を用いる構造の都合、マンションの棟数に対して戸数が限られ希少性が高い。

【分譲マンションにおけるバルコニー】
分譲マンションの一室のように、一棟の建物のうちの一部を所有するときの、権利関係に関する法律として区分所有法(建物の区分所有等に関する法律 昭和37年法律第69号)がある。第四条(共有部分)において「数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする」とある。
出典:e-Govポータル
(デジタル庁)法令検索 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)
構造上で共有されるべき建物の部分は専有部分にならないということである。
ルーフバルコニーに限らず、バルコニー等は避難路等にもなり得るという観点から、マンション管理組合のマンション管理規約によって区分所有者に「専用使用権」が定められた「共有部分」として取り扱われることが通常。
専用使用権が認められているので、他の共有部分の廊下などとは異なり、他の区分所有者に邪魔されることなく、そこを生活スペースの一部として使えるだけでなく、ちょっとした鉢植えを置いたり、撤去が容易な範囲で何かを敷いたりといったことが認められる。
一方で、自分だけのものではないということでもあるので、元に戻せないような変更を施したり、避難路としての役割を阻害するものを設置したり、破損や落下の恐れがあるものを置いたり、美観に影響を及ぼしたりといったことについては、勝手に行えないように管理規約などでも定められていることが一般的。
また、通常使用に伴う範囲でどこかが壊れたときに直すのは、部屋の中などの専有部分と同じく区分所有者の責任と負担で行う必要があるが、「共有部分」であるため、通常使用以外でどこか直す必要がある場合は、計画修繕の中で管理組合の負担で行える場合がある。

【用途や注意点】
ごく小規模なルーフバルコニーを備えた筆者宅においては、十数年にわたり壊れることもなく屋外で働き続ける洗濯機が一台置かれているほかには、専ら来客の喫煙スペースとなっているが、隣家のルーフバルコニーでは、テーブルと椅子数脚を出して月見酒らしき催しがたまに行われているようである。他のバルコニーやベランダと同様、日当たりの向きによっては、洗濯物を干したり、プランターを設置してちょっとした家庭菜園のように使ったりという人もいるであろう。
一般的なバルコニーやベランダよりも物理的に開放されており、風が静かな晴れた日などは昼夜を問わず解放感とともに快適に過ごせる空間となり得るのだが、広く開放されている都合、周囲の物件との位置関係や高さ関係によっては、前述のとおり、見ようとしない人からも期せずして人目につく可能性があるという点は注意すべきであろう。また、当然のことながら利用時には近隣住戸や階下への配慮も留意すべき点となる。