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公開日2012年11月15日/更新日2024年1月16日

海外赴任後の住宅ローン控除の再適用

念願のマイホームを購入し、家族とのマイホーム暮らしを楽しんでいた矢先、3年間の海外赴任が決まった――。そんなとき、海外赴任中のマイホームはリロケーションを利用して賃貸することで有効活用できますが、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用はどうなるのか、気になるところだと思います。

要件を満たせば住宅ローン控除の再適用を受けられる

海外赴任後の住宅ローン控除の再適用

住宅ローン控除の適用を受けるには、家屋所有者が取得したマイホームに住み続けていることが前提となっています。

例外として、転勤等のやむを得ない理由」がある場合、国内への単身赴任で家族が引き続き住み続けていれば、住宅ローン控除を継続して受けることができます。海外への単身赴任の場合は、国内に住んでいない「非居住者」とみなされるため、控除を受けることができませんでしたが、平成28(2016)年4月1日以降に取得した場合はこの限りではありません。なお、家族全員で海外赴任先に居を移す場合は、控除を受けることができません。

ただし、赴任中に控除を受けることができない場合でも、以下の要件を満たし、必要な手続きを行えば、帰国後にマイホームへ再入居した際に、住宅ローン控除適用開始時に定められた控除期間のうち、残存期間に限って控除の再適用を受けることができます。

住宅ローン控除の再適用を受けるための要件

  • 家屋を居住の用に供しなくなった年の前年分以前において、住宅ローン控除の適用を受けていた者であること
  • 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない理由があること
  • 平成15(2023)年4月1日以降に、その家屋をその者の居住の用に供しなくなったこと
  • 家屋を居住の用に供しなくなる日までに、一定の手続きを行っていること

住宅ローン控除の再適用を受けるために必要な手続き

住宅ローン控除の再適用を受けるためには、転居前帰任して再び家に住み始めたときの2回手続きが必要です。

家屋を居住の用に供しなくなる日までに必要な手続き(転居前)

家屋の所在地を管轄する税務署長に対して、海外赴任前に下記の書類を提出しておく必要があります。

  • 転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書
  • 未使用分の「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」※
  • 未使用分の「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」※

※税務署長から交付を受けている場合

参考:住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続1(転居前における手続)[国税庁]

再び居住の用に供した日の属する年以後、再適用をする最初の年分の手続き

海外赴任から帰国後、再適用を受ける最初の年分の確定申告書に住宅ローン控除に関する必要事項を記載するとともに、下記の書類を添付し、納税地を所轄する税務署長に提出します。

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した方用)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2カ所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書)

参考:住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続2(再び居住の用に供したときの手続)[国税庁]

なお、購入した年に海外赴任した場合、住宅ローン控除の適用を受けていないため、手続きが異なります。購入後6か月以内に1度居住していることが条件となりますので、注意しましょう。

住宅ローン控除の適用を受けずに海外赴任し、適用する場合の手続き

海外赴任前の手続きは不要です。

再び居住の用に供した日の属する年以後、再適用をする最初の年分の手続き

海外赴任から帰国後、適用を受ける最初の年分の確定申告書に住宅ローン控除に関する必要事項を記載するとともに、下記の書類を添付し、納税地を所轄する税務署長に提出します。

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した方用)
  • その住宅を居住の用に供さなくなったことを称する書類(転勤命令書など)

リロケーションによってマイホームを賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年以降の残存期間につき、再控除の適用を受けることができます。

手続きをすれば、利用できる制度もありますので、忘れずに確認しましょう。

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